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「「……終わったぁー!」」
「時間ヤバいんじゃない?後は俺やっとくから、ふっかは早く行きなよ」
「……悪い。この借りは必ず返す。
じゃあ明日」
改めて時計を確認する。
9:30
閉店時間はとっくに過ぎている。
………どうかまだ待っていてくれ。
ワガママだけど、身勝手だけど、
今日じゃなきゃいけないんだと思う。
『…明日の夜、出来れば喫茶店に来て欲しい』
康二からそんな事を言ってきた。
いつも来ることを考えれば、
そんな事次の日に言うはず。
「…はぁ、はぁ、はぁ、」
全速力で走り数十分。店の前に着く。
窓から中を覗くと、
本当に康二はカウンターに座っていた。
カランカラン、とまた昨日と同じく鳴る。
瞬時にこっちを見る康二。
「……ごめん。朝寝坊したら上司に
残業させられて、!」
「………良かった。
事故とかに巻き込まれたかと思った…」
そう言った声は涙声に感じて。
確認したかったけど無理だった。
だって…俺に抱きついてるから。
「……ぐすっ、ちょっと待ってて」
呆気に取られていると、
康二は奥に消えていった。
少しして奥から康二が出てきたと思えば、
手にはケーキ。
「今日でふっかさんと知り合って1年。というか…ふっかさんがこのお店に初めて来てからやな。記念にケーキ作ったん(笑)」
「…………え、う、れしい…。てかよく覚えてたね、俺が初めてこの店来た日」
そう言うと、黙って俯く康二。
……ねぇ、期待しても良い?
「実は……俺、ふっかさんが初めてこの店に来た時、一目惚れ…して……。
ふっかさん、好きです」
信じられない。
康二も俺のことが好きだ?
赤くなりながら
恥ずかしそうに告白する康二が愛おしい。
「えっ、」
「…俺も。康二のこと、好きです」
「っ、………ふっかさん…!」
「ちょっと……目、閉じてて」
ケーキをテーブルに起き、
何をするかお見通しかのように目を閉じる。
「………待たせてごめん」
顎を持ち、唇を引き寄せ口付けする。
出会って1年記念日とか、
他の奴には絶対やんなよ?
ふかこじEND
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らんか(プロフ) - とっても素敵なお話でした!こじ受大好きなんで、これからもたのしみにしています(^^) (2020年6月23日 21時) (レス) id: 5ad4a06cb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:叶 実 . | 作者ホームページ:https://twitter.com/hokuto_koji621?s=09
作成日時:2020年6月2日 20時