シン友 (ページ44)

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星とヘンテコページ44

｢あー、めっちゃ食べた。お腹いっぱい。｣

｢お前それ以上でかくなってどうすんだよ？｣

｢デリカシー無さすぎだよね？北斗。｣

2人で帰る家までの道は、いまばかりは何故か長く感じる。

それはさっきまでワイワイ過ごしてて、時間が過ぎるのを早く感じていたから余計に。

顔を上にあげれば満天の星空がキラキラと輝いていて、私の心模様を笑っているようにも思えた。

私はこんなに辛いのに、なんて意味の分からないところに八つ当たりしてみるけどそんなの無駄だってことは自分が一番分かってる。

「本当に振られたんだ。」

「振られたって訳じゃないけど、私に勝ち目ないってことは分かった。」

「はあ…。」

「い、った！何すんのよ！」

溜息を吐いた北斗は、私のおでこにデコピンをかましてきた。

自分が思ってるより威力が強いことをきちんと理解して欲しい。

散々泣いたのに違う意味で涙が出てきそうだ。

「誰の妹だと思ってんの？
俺はそんな妹に育てた覚えはない。」

「私もあんたに育てられた覚えはないんだけど。」

「細かいことはいいんだよ。とにかく諦めるのはお前らしくないって言ってんの。
いいか、ここで諦めれるってことは相手をそれくらいしか好きじゃなかったってこと。

お前の好きってその程度だったの？」

ストレートに言葉を発する北斗の声が、胸に重く刺さる。

「…違う。」

「だろ？ならそんな簡単に諦めようとすんな。

お前見てみろよ。樹くらいしぶとくいけ？」

「あれね、やられてる方は結構しつこく思ってるから私はやらない。」

「うーわ、樹可哀想。」

「…ふふっ」

北斗が優しいなんて、明日は槍が降るかもしれない。

そんなこと思いながら、まだゆっくりと流れる時間を今度は満喫しながら歩いた。