○ ページ33
そのうち痛い目見るのは自分だよ。
それだけ言い残し、歩いていった。
重たそうなノートの束を抱え、多少ふらつきながら歩いていく女を俺も冷めた目で見つめる。
「うるせえよ。」
それから数日。
頭の中からあの女のことが完全に消えた訳じゃなかった。
女を誑かしているときはどうでもいいんだけど、ふとしたタイミングであのときの顔や言動が蘇ってくる。
「…腹立つ。」
「ええー？どうしたのぉ、樹ぃ。」
隣の席に座り、俺の腕を掴んでいた女(名前はもう忘れた)は俺の顔を覗き込むように聞いてくる。
「何でもねえよ。」
「おい田中、なんか呼ばれてんぞ！」
「は？」
俺に客なんて、とドアを見つめると何日か前に相手した女が立っていた。
だるいな、告白とかか？
顔が赤いし、モジモジしてるし。
経験からなのか、そういう予兆は分かっていた。
「なに？なんか用？」
「あ、の…私、」
「樹が、好きです。
付き合ってください。」
聞き飽きたセリフ。
好き、付き合って、愛してる。
たかが一回遊んだだけの女に、俺の何が分かる？
何も知らないくせに好きだの、付き合ってくれだの、俺にとってはただのお巫山戯にしか聞こえない。
「ごめん、俺興味ねーんだわ。」
いつものように女を振り、その場から去る。
それが俺なのに、今日はそれが出来なかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 357人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SixTones」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さやか - 更新楽しみにしてます！！今一番大好きな小説です！次の展開が楽しみです！！！ (2020年3月11日 3時) (
レス) id: c6815205a2 (このIDを非表示/違反報告)
しちみ - 毎日投稿されるのを楽しみにしてます！！ (2020年3月7日 1時) (レス) id: 50d56e7659 (このIDを非表示/違反報告)
ミスト(プロフ) - sachiko88さん» ありがとうございます！ (2020年3月2日 19時) (レス) id: 7c4afbf00c (このIDを非表示/違反報告)
ミスト(プロフ) - まるさん» ありがとうございます！頑張ります！ (2020年3月2日 19時) (レス) id: 7c4afbf00c (このIDを非表示/違反報告)
ミスト(プロフ) - sachiko88さん» ありがとうございます！ (2020年3月2日 19時) (レス) id: 7c4afbf00c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ミスト x他1人 | 作成日時：2020年2月2日 21時
