乗り切ったああ ページ10
「おい、入るぞお」
スクがそう言って、ザンの部屋の扉を開ける。
ああ…逃げたい…帰りたい…
「…あ？」
暗い部屋の中で、奥に座ってるザンが目に入る。
「ボス。A見つけた。」
「…ザン…お久しぶり、です。」
なぜか敬語になってしまう…
というか目も合わせられない。
「…」
そしてまたこの沈黙。ああ、この場から逃げ出したいよおおお
「…こっちにこい。A」
「え？う、うん。」
ザンに呼ばれて、ゆっくりと足を動かす。
ザンの目の前に立つと、ザンがすごい目で私を睨んでいるのが見なくても分かった。
もうこれ逃げていい？
「…今までどこにいた」
「いや、えーっと」
「…言え。」
「…っ」
あ、ダメだ。言い訳が思いつかない。
どうしよう、どうすれば……あっ！
「私…その記憶がなくて…」
「…あ？」
「私の中では、10年前で記憶が止まってるんだよね…気づいたらあの森の中にいて、なぜか10年経ってたの。」
うん、嘘ではない。ドジな神さまが間違えて私を10年後に飛ばしましたーなんて言えるわけがないし。
「…だけど、年齢も20歳のままなんだ。10年バズーカで飛ばされたわけでもないのに。」
「…」
何も言わないザン。いや、我ながら記憶喪失を選択したのは成功な気がする。
「…その手錠は」
「これは、ベルに…私がもう逃げないようにって。」
「ハッ…なるほどな。」
微かに笑うザン。笑い事じゃないけどね…
…これはなんとか乗り切った？
ベルやフランの顔を見ると、なんだか納得いかない顔をしているけど…無視無視。
「…それが本当ならなんで、Aさんは記憶を失ったんでしょうねー。」
「たしか、Aがいなくなったのは雲雀ってやつに会いに行った日だったよな。」
「でも10年バズーカを使わずに、未来に来るなんてできるのかあ？？」
「一番の謎はそこですよねーなんでAさんが10年前の姿のままなのか…」
「……;;;;」
いや、犯人は神さまなんです…なんでもありなんですよ…神さまだから。
「もしかしたら、誰かがAを攫ってAに何かしたのかも…」
「Aさんみたいに強い人を攫える人なんていますかねー？」
「Aは強いけどドジだからなあー」
最後のは軽く悪口じゃ…
「ゔお"ぉい。とりあえずあいつらに連絡した方がいいんじゃねえかあ？」
スクのその言葉で私の顔は青ざめる。
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ゆん - 更新楽しみにしてます！ (2020年5月11日 14時) (
レス) id: 72cd235cd7 (このIDを非表示/違反報告)
amin(プロフ) - 優さん» なんと重大なミスを…訂正しておきます！教えてくださってありがとうございます！！ (2019年9月8日 23時) (レス) id: e68881c356 (このIDを非表示/違反報告)
優 - この作品ミー好きなので更新楽しみにしてますー！ (2019年9月8日 22時) (レス) id: 6bfe22f21c (このIDを非表示/違反報告)
優 - こんばんは！雲雀さんの口癖噛みじゃなく咬みですよー。 (2019年9月8日 22時) (レス) id: 6bfe22f21c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：amin | 作成日時：2019年9月2日 17時
