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朝、目が覚めると伊野尾ちゃんの姿が見当たらなかった。
しかし彼がどこにいるのかはすぐに分かった。
魚の焼ける匂い、ジュージューと火が通る音。
キッチンで朝食を用意してくれているのだろう。
「あっ、山田おはよう」
「おはよ。朝ご飯作ってくれてたんだ。寝ててよかったのに。ありがとね」
「住まわせてもらってるんだから怠けていられないよ。それに、世の中のお母さんは妊娠中でも家事するでしょ?…あ、そういえば昨日冷蔵庫の中の物は勝手に食べてもいいよって言ってたから料理に使ったんだけど…」
「うん。大丈夫だよ」
うわあああ……伊野尾ちゃんの手料理なんて初めてだ…。
これってまじで新婚さんみたいじゃない!?
エプロンはしてないけどうちのキッチンに立つ伊野尾ちゃんの姿が見られるなんてもう感動!
後ろから抱き締めたい!
そしたら伊野尾ちゃんは照れながら「もぉ…料理中は危ないからダーメ♡」って可愛く怒るんだ。
それでも俺が離れずにいると「お仕事頑張ったらご褒美にとっておきのデザートを用意して待ってるから…それまではお預け♡ね?」なーんて!なーんて!!!
もう!慧のために巻きで仕事終わらせて帰ってくるよ!!
「山田?もうすぐで出来上がるから支度してきなよ」
「あ…ああ、うん。支度…してきます…」
どうやら突っ立ったまま頭がトリップしていたようだ。
ほら、け……伊野尾ちゃんが心配そうにこっちを見てる。
トリップしてる間の俺の顔大丈夫だったかな…。
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JUMP の虜♪ - すっごく面白いお話ですね!続き楽しみにしてますo(^o^)o (2019年1月2日 21時) (レス) id: 5a3b5569f1 (このIDを非表示/違反報告)
あすか(プロフ) - ハルさん» 全然です!!!!ハルさんのペースで大丈夫ですので楽しみにまってます(´∀`) (2018年12月15日 0時) (レス) id: 0f9f59db2d (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - あすかさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!(;_;) しばらく更新停滞してしまっていますが、ちまちまと続きは書いているので近いうちに仕上げてアップできたらと思っています。お待たせしてしまい申し訳ないです… (2018年12月14日 23時) (レス) id: 63d9467158 (このIDを非表示/違反報告)
あすか(プロフ) - とても惹き付けられるお話で楽しんで読ませていただいています!大変だと思いますが、応援してます!! (2018年12月10日 0時) (レス) id: 0f9f59db2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハル | 作成日時:2018年4月4日 0時