お隣さん。【JK】

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やけに長い帰り道でやっとアパートまで来て





階段を目の前にホッとする。





…やっとこの気まずさから解放される。





JK「お前の部屋、どしたの。」





突然、階段を登り終えたグクの声が降ってきた。





「……え？」





JK「ほら。」





急いで階段を登ると





『ああ〜やっと来たね！』





「ああ、大家さん！どうしました？





……………………って…………」





大家さんの肩の向こうに目をやると





私の部屋の前に大人が数名。





『実はね、3月まで入居してた人の使い方が

悪かったみたいでさ水道管破裂しちゃってね。

中の床板とか柱もやられててさ。

申し訳ないんだけど、工事1ヶ月かかるみたいだから

友達んちとか実家に頼ってなんとかしてくれる？

その間の家賃はもちろんとらないから。」





「……はい…………？！」





頭の中真っ白超えて真っ黒。いや何言ってんだろ。





『じゃあ長靴貸すから、必要な物と貴重品、取ってきてね。』





「…。」





大家さんは私に長靴を履かせて部屋に入れると、





『じゃ、長靴はテキトーにそこらへんに置いといてね〜本当ごめんね〜』





そう言って、部屋の前にいた大人たち(多分水道屋さんかな？)と下に降りていった。





…え、もう、こんなことってある？





リビングまで浸水してるし…




不幸中の幸いって言うのかな、タンスの中身は無事だ…





「はぁ………無理。なんで。」





無心で荷物をまとめて開ける玄関のドアは





いつも以上に重く感じる。





(パタン)






ドアを閉めて顔を上げた瞬間、






「………へ…？」





歩き出そうとした私の足は





すぐに固まってしまう。





隣の部屋の前で壁にもたれて立つ





グクがいたから。

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