▽ ページ45
約5年という長い年月、一度も両親に会うことはなかった。
会いたくて会いたくて苦しい思いをしたことがあったし、実家に帰りたくて仕方ないと思うこともあった。
兄達が会いに来てくれた時は全てを投げ出したくなったけど、今こうやってママに抱きしめてもらえて、こんなにも褒めて貰えたら、今まで頑張ってきてよかったと……本当に心の底から思える。
「A」
『パパ……』
ママと力強く抱きしめあった後に、その間頭を撫で続けてくれたパパに抱きついた。
ああ、こうやって父を抱きしめるのなんて、一体いつぶりだろうか。
パパの顔が近い……もう、私もすっかり背が伸びたな。
「お前のことはずっと見ていたよ。煌と燎が見せてくれてね」
『うん゙っ…』
「こんなに凄くなるなんて……想像しがたい努力をしてきたんだね」
『うんっ、うんっ……!』
「本当に凄い。………立派だよ」
『うん…っ゙!うぁあん……!!』
「ほらほら、そんなに泣くとお化粧が落ちちゃうわ」
ママがそう言って、私の髪の毛を梳いた。
『うっ、ひぐっ…げほ!うぅ゙〜っ…!!』
「A、手を出してごらん」
『…?』
パパが手にしたのは小さい箱で、その中にはあの大切な大切な指輪が入っていた。
『!!……あ、』
右手の小指に、それはしっかりと嵌められた。
…………………戻って、きた……。
「これで、お前は“SEVENTEEN”となるんだろう?」
「本当に凄いわ、A」
「パパ達はずっと、お前のファンだよ」
『…ありがとう………』
そうして、私たちはもう一度抱きしめ合う。
571人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
本屋と図書館とガソリンスタンドの匂いが好き(プロフ) - 皆んなよく頑張った。デビューできて良かった😭続きも読ませていただきます!ここまで丁寧に書いてくださってありがとうございました!!! (12月25日 5時) (レス) id: b9b005fe2b (このIDを非表示/違反報告)
本屋と図書館とガソリンスタンドの匂いが好き(プロフ) - 最高です。主人公ちゃんがパパとママに抱きついて号泣するシーンは、こちらも自然と涙が出て止まりませんでした。「本当は泣き虫」という台詞があったので、実は誰も知らないところで沢山泣いていたんじゃ無いかと思うと胸が締め付けられて😭 (12月25日 5時) (レス) @page43 id: b9b005fe2b (このIDを非表示/違反報告)
歓楽街(プロフ) - あやかさん» 面白く思っていただけて嬉しいです、がんばります〜!! (2023年2月18日 22時) (レス) id: e98f01d612 (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - こんばんは!いつも面白く見させていただいてます!ほんとに声が出るくらい面白いので投稿が楽しみです!自分のペースでこれからも投稿頑張ってください!応援してます! (2023年2月15日 1時) (レス) id: 0dc3a80b94 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:歓楽街 | 作成日時:2023年2月7日 12時