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始まりのシーンは外で撮るらしいから、今日はお部屋のシーン。
デートから帰って来て、一緒に映画を見ながら一緒に作った料理を食べる。
まだ、あのシルクのは着なくて済んだ。
あれは、お泊まりのシーンと言うことなんだな。
渡された衣装は、彼の大きめのロンＴを借りて、ダボダボって言う、定番の、かつ、憧れのシチュエーションのやつだった。
着替えて、お部屋のセットへ行くと、
志尊淳「ダボダボ。可愛い。笑」
彼から借りたダボダボの部屋着に着替え、恥ずかしがりながら、キッチンへ向かう私。
あつし君は、幸せそうな笑顔。
2人で料理をする。
ダボダボの服の袖が降りてきて邪魔になると、後ろから、抱き締めるように手を回し、袖を捲ってくれるあつし君。
微笑む私。
後ろを振り向いて、おでこを合わせ微笑む2人。
ベタだ…。
ＭＶだからな。
一連の流れを撮った。
カメラチェック中。
キッチンで、本当に料理をする。
この後、食べるシーンで使うから、そのまま作っててと指示された。
志尊淳「A？」
ん？呼び捨て？
A「ちょっと、何で急に呼び捨て？」
志尊淳「俺、彼氏だし。笑」
A「役 ねっ！」
志尊淳「俺、Aの本当の彼氏になりたい。ダメ？」
A「ダメ！」
志尊淳「何で？」
A「何で？」
志尊淳「もう！真似するなよー。本気なのに。」
A「…。」
手を止めて、あつし君を見る。
一体何なんだ？
役に入ってるとか？
志尊淳「好きです。俺の彼女になって欲しい。」
真剣な眼差しでそう言われた。
本気？なのか？
A「周りのスタッフさん達、ビックリしてるよ？」
周りにいたスタッフさん達が驚いている。
手を止めて、私達に注目している。
志尊淳「好きなんだ…。ちゃんと俺を知って欲しい。それから返事して？」
A「それでも、私の答えは…」
志尊淳「待って！言ったでしょ？俺を知ってからにして？ね？お願い…」
この場合、どうすればいいの？
答えは決まってるけど…
監督「えっと…、撮影再開してもいいかな？カメラ止めないから、自由に演じて貰える？その方が、カップル感でそうだから。」
志尊淳「はい！」
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作者名：ひろみ
| 作成日時：2018年11月8日 12時
