私たちの恋愛１０最終章 (ページ32)

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A「どうしたの？えっ？何で泣きそうなの？」

何かあったっけ？
いや、何も話してないから、何も起こってない！

紫耀「…結婚、やっぱりしないとか言う？…だぁー！！ダメだから！！！１回、うんって言ったんやから、取り消し出来ないんやからね！！あっ、もしかしてマリッジブルー？でも、こんなすぐになるもんなん？」

激しく勘違いしてる様子…
一体、どうやったら、そんなめちゃくちゃな方向へ考えが行くんだ？

A「激しく勘違いしてるところ悪いんだけど、私結婚しないなんて言ってないんだけど？」

紫耀「だって、何も喋らずに星空見上げて…。ぼーっとしてるんやもん…。」

それで、不安になって、暴走しちゃった訳ね…

A「不安にさせてごめんね？私はただ、幸せに浸ってただけだったんだけど。」

紫耀「何だー…良かったぁー。」

本当に良かったと言いながら、顔を両手で覆っている。
私は起き上がり、紫耀の目の前にしゃがんで抱き締めた。

紫耀「男のくせにすぐ不安になって、かっこ悪いよね？ごめん…。」

A「ううん。ありがとう。不安に思ってくれるのも、不謹慎だけど嬉しかった。愛を感じたよ。そのまま変わらずにいてね？どんな紫耀も一番近くで見て生きていきたい。」

紫耀「Aにだけは、かっこ悪い俺も、ダサい所も見せれるんよ。こんなに素の俺を出しちゃうと、その中で自分でも知らない自分がおったりして…。それで嫌われたらどうしようって思う時もある。」

紫耀の目を見て、両手を繋ぐ。

A「ねぇ、覚えてて欲しんだけど…」

紫耀「うん。」

A「私が紫耀を嫌いになる事はないから。だから、これからもそんな要らない心配しないで？こんなに愛してるんだから。」

紫耀「うん。ありがとう。俺も愛してる。」

冷えてきたので、部屋の中へ入った。
手を繋いだまま。

紫耀「来て？」

ソファーに座った紫耀の足の間に座らせられた。
後ろから抱き締められて、うなじに唇が当たっている。

紫耀「あのね、話しておきたいことがあるんよ…」
そう言って、静かに話し始めた。

紫耀「俺ね、あの日。初めてAに初めて会った日…」

あの日だね。
潤君が後輩を私に会わせたいって、タカに頼んでくれたんだよね。