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野村夫婦ではなくなって、ただの中年カップルになったけど、これで絶対にバレないな。
紫耀「俺の準備もしてくれてたやろ？ありがとう。」
A「ううん。毎日お仕事お疲れ様。いっぱい楽しもうね？」
紫耀「うん！よし！出っ発！！」
A「えっ？こんな朝早くから？朝食まだだよ？」
まだ7時過ぎ。
紫耀「時間が勿体ない！朝食は、途中で何か買えばいいじゃん！はい！出っ発！」
荷物を手に取り、背中を押され、家を出た。
車に乗り込む。Aは後部座席へ。
私はまだあえて帽子やメイク、メガネなどはしないで、Aのままで運転する。
お兄ちゃんの車に乗り込んで出発する時には、しっかりとサッチー風におばさんに変身するから。
A「まずは、お兄ちゃんとこに寄って、車変えなきゃ。」
紫耀「そうやったな。こんな朝早くから大丈夫かな？」
A「多分寝てるだろうけど、大丈夫！合鍵持ってるから、勝手に車の鍵借りてくる。話してあるから大丈夫だよ。」
紫耀「仲良し兄妹だね。」
A「今だからだよ…。本当に独裁者、鬼、悪魔、とにかく凄かったんだから…。」
紫耀「アハハハ！シンジさんと頑張ったんだっけ？」
A「うん、そうなの。でも、今思えば何であんなに従ってたんだろうな。刃向かうって選択肢はなかったから、しょうがないのか…。紫耀は？弟さんと仲良かったの？紫耀は優しいお兄ちゃんだったんだろうなぁ。」
紫耀「どうだろ？仲は今も昔もいいけど、それなりに喧嘩はしたよ？でも、怒られるのはいつも俺。それが納得いかなかったんだよなー。」
A「アハハハ。兄弟あるあるだね。」
そんな話しをしながら、お兄ちゃんのマンションに到着。
車を停めて、
A「鍵もらってくるから待ってて？」
紫耀「俺も行くよ。もし、誰かに会っても、今のこの格好じゃ、俺だって誰にもバレないだろうから、一緒に行っても平気でしょ？お兄さんに挨拶したいし。」
本当にしっかりしてるな…。
そうだね。今のこの格好じゃ、誰にもバレないよね。
中年のおじさんが歩いてるとしか見えない。
A「ありがとう。じゃあ、行こうか。」
2人でお兄ちゃんの部屋を目指し歩く。
合鍵で開け、玄関に入る。
A「お兄ちゃーん？」
返事がない。まだ寝てるのか。
A「やっぱりまだ寝てるみたい。」
紫耀「うん。朝早いしね。」
A「洗面所借りるよー。」
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作者名：ひろみ
| 作成日時：2018年11月8日 12時
