苦しみが伴う愛情 ページ33
紫耀「じゃあ、そろそろ…いいかな？」
そう言って、
私を持ち上げると、
膝に乗せられた。
紫耀「愛してるよ」
A「私も…愛してる」
見つめあいながら、
愛の言葉を交わす。
これ以上ないくらい幸せな瞬間。
そして、
そっと唇が触れ合う。
優しいキスから段々と
キスが深くなると、
抱えられ、
ベッドへ移動。
全身に丁寧に落とされていく
優しいキスや、
大切に私に触れてくれる手、
私に欲 情してくれる表情や動きに、
どんどん愛おしさが溢れていく。
彼に抱かれながら、
これからもまた今回のよう事が起こるかもしれない。
職業＝芸能人。
きっと、そんな彼氏を持った宿命なんだ。
だから、
24時間彼の気持ちを独占したいなんて、
そんな事を思っちゃダメなの。
仕方のない事なの…
私はあなたのものだよ。
でも、あなたは私のものではないから…
彼の愛を、
全身に受けながら
そんなことを思っていた。
すると、
一度体を離して、
紫耀「…何考えてる？」
不安そうな声で、
そんなことを言った。
A「ん？何も。…好きだよ。」
紫耀の首に両手を掛けて引き寄せた。
暗い部屋の間接照明に照らされた眼は、
やっぱり不安に揺れていた。
紫耀「…やっぱり、まだまだ掴めないね。笑」
微笑気味に、
悲しそうにそんな事を言う。
A「そんな事ない。私の心をこんなにも掴まれすぎて、苦しいのに…」
それでもあなたは、
紫耀「ありがとう。笑」
また同じような顔をする。
安心させる為に、
私が口先だけで言った言葉って思ってるの？
紫耀「A、好きだよ。」
そう言って、
打ち付けるスピードが上がり、
私も好きだよって言う余裕すらない。
もどかしい気持ちと、
伝わらない事に悲しいくせに、
身体は気持ちと裏腹で、
A「アッ、イヤ、…アッ、ダメ…」
紫耀「一緒に…」
そして、一緒に果てた私達。
私にペタッと体を合わせるように
上から重なるように抱き締められる。
そんな紫耀の背中を抱き締めながら、
A「愛してる」
気持ちが届くように言った。
私の横に寝転がると、
腕を私の頭の下に入れて、
抱き寄せられる。
そして、
小さく呟くように、
紫耀「…愛してる」
そう言われた…
私達の愛って、
切なく、
苦しみが伴う、
そんな想いに変わっていっているの…？
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作者名：ひろみ
| 作成日時：2019年11月24日 0時
