何も聞きたくない ページ21
A「…ごめんなさい。何も聞きたくない。」
そう言って、
後ろから回された腕に手を重ね、
そっと離れた。
そして、
振り返らず、
玄関へ向かった。
とにかくここから逃げ出したかった。
何も聞きたくない。
これ以上何も勘付きたくない。
紫耀「待ってよ。どこ行くの?ねぇ!」
後ろから腕を掴まれ、そう言われた。
A「…ごめん。今は、無理…。一緒に居たくない…」
こんな感情に襲われながらも、
私は泣かない。
冷静に。
必死に感情を抑えて言った。
紫耀「やだよ!なんでそんな事言うの?」
A「お願い、離して?」
紫耀「無理。ってか、こっち見てよ。」
掴まれていた腕に力が入り、
振り向かされた。
泣かない。
A「お願いだから、行かせて?今は一緒に居ないほうがいい。そうじゃなきゃ…」
今のこの状況だと、
別れが見えてしまう…
冷静に受け止められるまで、
時間が欲しいの。
紫耀「別れるって言いたいの?ねぇ?」
ほら、今は何を言っても、
感情的になってしまうじゃない。
私だってそう。
A「そうならないように、今は一緒に居ない方がいいと思う。だから…」
紫耀「なんだよそれ。いっつもそうじゃん。1人で勝手に決め込んで…。もういいよ。」
そう言って、
乱暴に離された腕。
そして、
背を向け離れていった紫耀。
泣かないと決めていた涙が勝手に溢れ出し、
その後ろ姿がボヤけていた…
振り向き玄関へ向かい、
靴を履くと、
リビングのドアが大きな力で閉められた。
その大きな音が背中から聞こえ、
私はこの部屋を静かに出た。
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作者名:ひろみ | 作成日時:2019年11月24日 0時