2-44 ページ44
何も答えないでいると、また明日も会えるじゃんって…………まぁそうなんだけど
｢俺だってこのまま帰るの、すっげー悔しいんですけど？｣
｢ほんとですか？｣
｢でもさ、今日一緒にいたら優しく出来る自信ねぇから。我慢するわ。｣
言われた言葉が理解できなくて
きっとあたしは呆けたような顔を上げたと思う
そしたら、ジヨン先輩にぽんっと軽く頭を撫でられて
｢やっぱ、Aはそういう反応すると思った。｣
｢え？……あたし、ジヨン先輩に貶されてますか？｣
むっとした顔でジヨン先輩を見上げたら、先輩が首を傾げて
｢先輩？｣
｢それやめない？｣
｢なにをですか？｣
｢先輩って呼ぶの。｣
｢……無理です。｣
今までずっと先輩って呼んでたのに、呼び方を変えろなんてぜったい無理
頑なに口を閉ざして首をぶんぶん振り回すと
ジヨン先輩が、けちって呟きながらあたしのほっぺたを摘んだ
｢…………まぁ、そんなAだから惚れたんだけど。｣
そう言ったジヨン先輩頑張ってまたキスを落とす
｢……ったく。キスひとつでそんな顔すんじゃねぇっての。｣
｢そんなに変な顔してますか？｣
｢可愛いだけだし。煽ってんの？｣
｢べっ、別に、無意識です。｣
｢ずりぃ。｣
｢そんなふうに笑うジヨン先輩の方が…………よっぽどずるいです。｣
あたしをみつめる目が優しいから
あたしを包む手のひらがものすごくあたたかいから
甘い声でもっと名前を呼んでほしいから……
ジヨン先輩に触れたくなって、あたしから手を伸ばしたら先輩がちょっとだけびっくりしたような顔をしてから
抱えるようにあたしの後頭部に回した手で
大切なものに触れるみたいに
何度も頭を撫でてくれた、この温もり愛おしくて
｢俺から離れんなよ。…………ていうか、ぜったい離してやんねぇから。｣
切羽詰まったような
苦しそうな声
抱きしめられている腕からも
その声からも伝わってくる何かに、心が満たされる感覚は初めてで
もしかしたら
これが愛ってことなのかなって…………
ジヨン先輩の腕の中で、ゆっくり目を閉じた
end
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1120人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「K-POP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
merry(プロフ) - なつこさん» なつこさん！お返事遅くなりました(>_<)未だに不安定な状態で心配事もたくさんありますがわたしもなつこさんとまたお会い出来るように準備しております！体調をくずされませんようお元気でお過ごしください！ (2020年6月3日 23時) (
レス) id: 04887bd533 (このIDを非表示/違反報告)
なつこ - お元気ですか？見えない敵と闘いつつ、もはや共存していかなければならない今になって、自由やありのままの生活のありがたさに気づきました。merryさんと再会できることを願っています。ご自愛ください。 (2020年5月9日 22時) (レス) id: c319d287df (このIDを非表示/違反報告)
merry(プロフ) - たかさん» たかさん！いつもありがとうございます。たくさん更新出来いことや、色々思い悩んでましたがこんな素敵な言葉を頂けて嬉しくて幸せです。テテちゃんのお話とジヨン先輩のお話楽しみにお待ち頂けるとありがたいです(*^^*) (2020年2月26日 0時) (レス) id: 04887bd533 (このIDを非表示/違反報告)
たか(プロフ) - merryさん！とりあえずお疲れ様でした。そして新しいお話ありがとうございます！テテにも素敵な幸せが来ること楽しみにしています。 (2020年2月22日 0時) (レス) id: b941ac7055 (このIDを非表示/違反報告)
merry(プロフ) - ともこさん» ともこさん！わーん(><)ひとつひとつ言葉を大切に読んでいただけて本当に嬉しくて泣きそうです。これから甘々なジヨン先輩を想像していまからにやけてます。本領発揮したジヨン先輩のターンをもう少しだけお待ちくださいね！いつもありがとうございます！ (2020年2月7日 1時) (レス) id: 04887bd533 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：merry
| 作成日時：2019年9月19日 20時
