2-37…* ページ37
好きだった
大好きだった
多分…………自分が思ってるより、たくさんヌナのことが好きだった
｢…………もうちょっとかっこつけたかったのにな。｣
ヌナの温もりが残ってる手のひらを眺めたら
胸がまた苦しさを思い出す
この手は死んでも離さないって思ってたのにな
見上げた空には星なんか見えなくて、ただぼんやりとお月様だけが浮かんでる
ヌナと出会ってから
ずっとずっとヌナのことだけを見てきた
とびきりの美人さんでもないけど
俺には世界で1番可愛くて、大切な女の子だった
｢……テヒョンくん、これなんだけど｣
｢ねー、ヌナ。俺のことテテって呼んでよ？｣
｢え？｣
｢いいでしょ？いひひっ。｣
｢………テテ？｣
ヌナが俺を呼ぶ、あの声が好きだった
ご飯を食べたら美味しいねって言うとこ
コピーが苦手なとこ
不器用なくせに強がりで、一生懸命なとこ
ぜんぶが大好きだった
何度も何度も
飽きるほど夢を見た
ヌナがずっと俺の隣で笑ってくれる毎日を
呆れるほどヌナのことだけ見てたから
ヌナの心がどっちを向いてるかなんて…………
俺、どんだけヌナのこと見てたと思ってんの？
嫌でも気づくよ
………だけど
ヌナはヌナなりに精一杯考えてくれたんだよね
俺のこといっぱい考えてくれたんだよね？
だったら………
自分自身を納得さすために大きく息を吸うと、空気が冷たく沁みこんでくる
「……テテが笑ってると、ほっとする。」
「ほんと？じゃあヌナの前ではずっと笑ってる！」
明日もヌナが笑えるように
ヌナの前ではずっと笑ってたい…………
ぽたっとコンクリートに落ちた雫が染みを作った
｢…………っ、｣
ほっぺたを伝ってぽたぽたとこぼれ落ちる
これはヌナへの恋心
ほんとは……ちょっと頼んないヌナのこと俺が守ってあげたかった
ほんとなら俺が……ヌナを幸せにしてあげたかった
少しでも一緒にいたくて
いつか、もしかしたらって
期待して、手を離せなくて……勝手に苦しくなって
恋しくて、愛しくて
息することさえ苦しくて、心が痛くて涙がぼろぼろ流れ落ちた
“テテ”
叶わない願いだったとしても
…………それでも俺は
ヌナに好きになってもらいたかった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1120人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「K-POP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
merry(プロフ) - なつこさん» なつこさん！お返事遅くなりました(>_<)未だに不安定な状態で心配事もたくさんありますがわたしもなつこさんとまたお会い出来るように準備しております！体調をくずされませんようお元気でお過ごしください！ (2020年6月3日 23時) (
レス) id: 04887bd533 (このIDを非表示/違反報告)
なつこ - お元気ですか？見えない敵と闘いつつ、もはや共存していかなければならない今になって、自由やありのままの生活のありがたさに気づきました。merryさんと再会できることを願っています。ご自愛ください。 (2020年5月9日 22時) (レス) id: c319d287df (このIDを非表示/違反報告)
merry(プロフ) - たかさん» たかさん！いつもありがとうございます。たくさん更新出来いことや、色々思い悩んでましたがこんな素敵な言葉を頂けて嬉しくて幸せです。テテちゃんのお話とジヨン先輩のお話楽しみにお待ち頂けるとありがたいです(*^^*) (2020年2月26日 0時) (レス) id: 04887bd533 (このIDを非表示/違反報告)
たか(プロフ) - merryさん！とりあえずお疲れ様でした。そして新しいお話ありがとうございます！テテにも素敵な幸せが来ること楽しみにしています。 (2020年2月22日 0時) (レス) id: b941ac7055 (このIDを非表示/違反報告)
merry(プロフ) - ともこさん» ともこさん！わーん(><)ひとつひとつ言葉を大切に読んでいただけて本当に嬉しくて泣きそうです。これから甘々なジヨン先輩を想像していまからにやけてます。本領発揮したジヨン先輩のターンをもう少しだけお待ちくださいね！いつもありがとうございます！ (2020年2月7日 1時) (レス) id: 04887bd533 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：merry
| 作成日時：2019年9月19日 20時
