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「じゃあ…俺帰るね。また」
翔くんがそう言って、胸の高さまで右手を上げた。
プレゼントまで貰って、更に加速する翔くんへの想い。
本当はもっともっと一緒に居たかった。なんて欲張りな感情が湧き出てくるのは、翔くんのせいだよ。
どうするの？私のこの気持ち。
私はどんどん欲張りになって、どんどんあなたのことが欲しくなっていく。
もうすぐ終電の時間も迫る。あなたを縛るための名前を持たない私の時間はここで終わり。
あなたは、私だけを見つめてはくれない。私は、あなたの瞳には映らない。
分かってるよ。分かってるけど、期待が膨らんでいくの。
「送ってくれてありがとう。プレゼントも嬉しかった。おやすみなさい」
私、ちゃんと笑えたかな。お別れの瞬間こそ、笑顔でバイバイをするべきなのに、多分私上手く笑えなかった気がする。
一生のお別れじゃないのに、どうしてこんなにも切なくて、苦しくなるんだろう。
もう会えないかもしれない、と心のどこかで思ってしまって、その感情に埋め尽くされてしまったら、そのまま感情が顔に出てしまう私の癖は治らない。
「…え…翔、くん？」
笑顔が上手く作れなくて、その顔を見られないように顔を俯かせてしまったのは、間違いだったかもしれない。
と後悔をする前に、身体がふわりと温もりに包まれていた。
ツンと冷たい冬の空気の中、爽やかな匂いがすぐ近くで鼻を掠めた。
翔くんに抱き締められていた。
そう理解するまでに、多分あと５分はかかる。いや、もっと時間がいる。
「そんな顔しないで…」
耳元で小さく囁く声は、いつもよりも心なしか低い。
「俺…どうしたらいいのか分からない」
ギュッと背中に絡む腕は、強くはない。すぐに抜け出そうと思えば抜け出せる。
だけど、身体が硬直して、頭がフリーズして動けない。
「…ごめん」
消え入りそうな声でそう一言呟いて、翔くんは私から離れた。
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にゃん(プロフ) - 続きを書いて下さってありがとうございます。足が遠のいたり書けなくなる人の気持ちも分かるので更新して頂けると凄く嬉しいです(*'▽'*)♪ (2022年11月27日 0時) (
レス) @page36 id: b010e36986 (このIDを非表示/違反報告)
みかぽ(プロフ) - 更新めちゃくちゃ嬉しいです！！待ってました！！またゆる〜く待ってます♪ (2022年11月7日 0時) (レス) @page36 id: 8aa8752128 (このIDを非表示/違反報告)
ぴ(プロフ) - 待ってる人ちゃんといますよ！更新ありがとうございます！ (2022年11月6日 12時) (レス) @page36 id: 2ec53b58cb (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 妃紀さんお久しぶりです。更新ありがとうございます🤗とても嬉しかったです👏👏😍 (2022年11月6日 9時) (レス) @page36 id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
やっち(プロフ) - 今晩は。続きが読みたいです (2021年10月23日 22時) (レス) @page32 id: cc7865b69e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：妃紀
| 作成日時：2019年8月25日 22時
