＃19.金平糖の突起は優しい棘 ページ26
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「…あ、翔さんもうすぐ来るって」
ブー、と通知を知らせるバイブ音が鳴り、テーブルの上に置いていたスマホを手にした二宮さんが画面を指で弾きながら言った。
その言葉にハッとさせられる前に、あの言葉の余韻から抜けられずにいた。
“自分の気持ち、大切にした方が良いよ”
二宮さんの言葉が、深く身体の奥に沈んだ。
自分の気持ち…か。斗真くん、潤くん…そして翔くんと向き合う前に、はっきりしない自分の気持ちと向き合うことが第一。
ダメだなぁ…こんなに私、優柔不断なはずないんだけど。
でも、軽く扱ってはいけない事柄だからこそ、誰だって今の私の立場に立てば、あれこれと思い悩むはずだろう。
なんて一人でぼーっと考えていれば、“翔さんもうすぐ来るって”という、見逃してはいけない重要な言葉が頭からすっかり抜け落ちていたことに気付いた。
だけど時すでに遅し。
「こんばんはー」
「あっ、翔くんいらっしゃーい」
「智くんどうも。…えーっと、和也…」
「可愛い彼なら翔くんのいつも座る席に案内しといたよ」
「ああ、サンキュ……え」
首を捻って振り返った瞬間、目が合った。
ちょうど料理をテーブル席のお客さんに運ぶために厨房から離れていた智くんとの会話から察するに、キョロキョロと二宮さんを探していたのであろうその大きな目と。
バチッ、と音がしそうなくらい綺麗に交差した視線。
「翔さん遅ーい。待ちくたびれたー」
「…え、あ…ごめんごめん…って、遅れるって連絡しただろ？」
私と目を合わせたあと、一瞬驚いたように目を丸くしていた翔くんだけど、二宮さんの声にハッとしたように、こちらの席に歩を進めてきた。
そして私との間に二宮さんを挟んで、いつもの定位置だという席に翔くんが腰を下ろした。
「まあAちゃんと飲んでたから良いけど」
ね？と翔くんを見ていた目が私へと向く。
突然向けられた視線に「へっ！？」って肩を揺らして過度に反応してしまえば、「なにその反応、どうしたの？」って二宮さんがフハッと噴き出すように愉快に笑った。
多分この人は、私の反応を面白がっている。そう一瞬で分かる悪戯な笑顔。
何食わぬ顔の二宮さんを余所に、私は二宮さんと会ったときとは違う緊張感に包まれていた。
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にゃん(プロフ) - 続きを書いて下さってありがとうございます。足が遠のいたり書けなくなる人の気持ちも分かるので更新して頂けると凄く嬉しいです(*'▽'*)♪ (2022年11月27日 0時) (
レス) @page36 id: b010e36986 (このIDを非表示/違反報告)
みかぽ(プロフ) - 更新めちゃくちゃ嬉しいです！！待ってました！！またゆる〜く待ってます♪ (2022年11月7日 0時) (レス) @page36 id: 8aa8752128 (このIDを非表示/違反報告)
ぴ(プロフ) - 待ってる人ちゃんといますよ！更新ありがとうございます！ (2022年11月6日 12時) (レス) @page36 id: 2ec53b58cb (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 妃紀さんお久しぶりです。更新ありがとうございます🤗とても嬉しかったです👏👏😍 (2022年11月6日 9時) (レス) @page36 id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
やっち(プロフ) - 今晩は。続きが読みたいです (2021年10月23日 22時) (レス) @page32 id: cc7865b69e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：妃紀
| 作成日時：2019年8月25日 22時
