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『なー、お兄さんたち』
男たちの後ろから聞こえる声
私からは男たちが邪魔で誰かが見えない
「なんだよ、お前」
『あのXX-XXナンバーの車ってお兄さんたちの?』
「それがなんだよ」
ほんとそれ
っていうか助けてよ
誰か知らないけどこの状況わかるでしょ
『思いっきりぶつけてもた!』
「は?何してんだよっ」
男がその人に殴りかかろうとしたとき私の右腕が自由になる
あわてて村子のいるビーチのほうへ走り出す
振り向くことができない
安「村子っ」
村「安子、遅かったわね」
安「変な男たちに絡まれて…」
村「大丈夫だったの?!警察通報しましょ!」
安「あ、でも別の男の人が助けてくれて…」
あれを助けたというのかはわからないけど、実際助かったし
安「その人にお礼だけしたいからついてきてくれない?」
村「わかったわ…
あ…わたしが安子のスマホ持ってたのね……」
安「気にしないで
今度は握りしめていきましょ」
自販機のところまでくると男たちはいなくなっていて海に似合わないスーツ姿の小柄な男性がいた
安「あの…さっきは助けていただいて…」
『ん?さっきの子か!
ほんまやで〜知らん男に絡まれたら助け呼ばなあかんで』
関西弁で話すのに威圧感がないのはこの人のふわふわとした雰囲気のせいかな
安心するような、癒されるような
素敵な雰囲気を持った人だと思った
村「安子、お礼言って戻りましょ」
結構な顔立ちだったのに村子のお目には留まらなかったみたいで、本当にありがとうございましたと頭をさげて立ち去る
バイバイ、とゆるっとした笑顔で手を振られる
ああいう人がモテるんだろうな、とらしくないことを考えていると足がとまる
村「安子?」
安「…村子、ナンパのこと馬鹿にしててごめん
……逆ナンってありだと思う?」
村「…始まっちゃいそう?笑」
安「うん」
少しだけ遠くなった自販機を見るとまだ手を振ってるあの人がいる
サンダルが邪魔に感じてはだしで走る
助けてもらったから、なんたら効果というやつかもしれない
でも、私は信じたい
なんとなく、惹かれているこの気持ちを
安「あの…っ!連絡先とか…交換できますかっ」
『それ聞きに走ってきたん?可愛い…
いいよ』
村子はあきれてみてたけどこの私のおかげで村子もあの人と出会えたんだから感謝してほしいわよね
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桜ンボ(プロフ) - さやさん» 楽しみにして下さりありがとうございます(;_;) (2019年12月17日 9時) (レス) id: 32f81471d1 (このIDを非表示/違反報告)
さや - 友情、恋愛…高校3年生の彼女たちがどんな物語を見せてくれるのかとても楽しみです! (2019年11月22日 19時) (レス) id: 911557e186 (このIDを非表示/違反報告)
桜ンボ(プロフ) - 奏さん» ありがとうございます(;_;) (2019年11月14日 6時) (レス) id: 32f81471d1 (このIDを非表示/違反報告)
桜ンボ(プロフ) - お隆さん» ありがとうございます(。>_<。)頑張ります…!! (2019年10月21日 20時) (レス) id: 32f81471d1 (このIDを非表示/違反報告)
お隆(プロフ) - 面白いです!ゆっくりで良いので、更新楽しみに待っています! (2019年10月16日 13時) (レス) id: 43f3ee5979 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜ンボ | 作成日時:2019年9月11日 21時