鬼と人の境界者

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錆兎side





炭治郎が狭霧山に来て半年が経った。





刀の使い方もわからない奴で鱗滝さんが仕掛けた罠に引っかかりぱなし。





(…本当にやる気があるのか、この男は)







それでも彼を見守り続けるには理由があった。





(…やっぱりAに似てる。雰囲気も仕草も)








そう炭治郎はAといることが長かったせいか彼の存在が大きく、影響を受けていたのだ。








これは炭治郎がAを尊敬すると同時に憧れを抱いていたからに違いなかった。






(……炭治郎。お前は何者だ？)







遠くから“炭治郎”をみているのに段々その姿がAに重なる。







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ーー『錆兎、お前はどうして自分が今生きてると思う？』






唐突のAの問いに俺は戸惑いもあったが答えはすんなり出た。








ーー「鬼を斬るためだ。鬼が消えていなくなるまで戦い続けるために生きている。」






ーー『それは鬼に大切な人を殺されたから？』






ーー「…それもあると思う。でも同じ思いをする人を減らしたいって気持ちの方が大きい。」






Aは面を外して俺に笑いかけてくれた。







『錆兎はすごいなぁ、自分の命を大切にして死んでしまった人達の想いを繋いでいこうとしてる。でもそれだけじゃこの先生きていけないよ。』








Aは俺の胸辺りを指差して、




『自分が生きてて幸せだと思える人生を送れ。』








胸辺りに……暖かい風が吹いた気がした。


いや、温かくなったんだ。




Aのその言葉に自分に足りていなかった場所が埋まったような見つかったような気がした。








『…それが一番の生きがいになれるから』




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「…俺がこいつを強くさせて見せる。殺させないから」







俺は炭治郎の修行を…真菰と一緒に見守っていた。

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