鬼と人の境界者 ２

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Aside





俺が狭霧山に来て二月(ふたつき)が過ぎた。







『違う。呼吸っていうのは集中力が必要なんだ。むやみに呼吸を乱して所得出来ると思うな』







「はぁはぁはぁ……っはい！！」





『んじゃもう一回登ってこーい！』







「えぇえ！？さっき言ってた事と違う！」




そう言いながらも素直に登りに行く炭治郎に関心を覚えた。









(炭治郎の日輪刀はどんな色になるのかな)






俺と同じ服を着て沢山の仲間に慕わられる炭治郎が思い浮かぶ。







(…これからが本番だってのに俺は何想像してんだか)









ふと思ってしまった。





(もし、鬼が滅んだら炭治郎達は、隊士達は…鬼を忘れることが出来る日は来るのだろうか)







いや。優しすぎるみんなのことだ。誰一人だって忘れる事はないだろう。






殺された隊士や家族の事を。






(でも……最後は鬼の存在を消して、人間の世界を作ってやりたい)









鬼の存在を忘れるということは鬼に殺された者たちの事も忘れてしまうという事。








誰もそんな事を望まないだろう。









それでもやっぱり消さなくては。そう思うのだ。









(そう……まずは自分から)









俺が鬼殺隊に戻って来た理由。






それは今度こそ、鬼舞辻無惨を殺すため。









あいつを殺せばもう鬼は生まれない。









そうすれば…あいつらが苦しむ未来は来ない。

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