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『えー、何があかんの？だってどうせ誠也くんはあたしの部屋で寝るやん。別に関係なくない？』
「……うわ、したくない想像してもうた」
「勝手に想像すな！！」
『ごめん望。それはまじでやめて』
うげーって顔して本気で気持ち悪がるのんすけ。勝手に想像して勝手に落ち込んでいくのまじでやめてくれん？想像された方の身にもなってほしい。
『あ、ほんならあたし1人で寝るから、のんすけと誠也くんがのんすけの部屋で一緒に寝る？』
「はぁ！？絶対嫌やわ！！」
「なんで男2人で寝なあかんねん！」
『んーー、あ、じゃあ3人川の字で寝るとかは？』
「「なんでやねん」」
『おお、すごい、シンプルなんでやねん出た』
2人のツッコミ力に感心してると、のんすけが小さくクシャミをした。あー、そういえばこの人お風呂上がりで髪も乾かしてないし、上裸なんやった。
『とりあえずご飯にしよ？のんすけ風邪ひく前に髪乾かして服着ておいで』
「そうする〜〜」
ズビズビと鼻を鳴らしながら脱衣所へドライヤーしに行ったのんすけを見送って誠也くんの方に向き直ると、未だ掴まれたままだった腕は下に降りてきて、いわゆる恋人繋ぎをされる形になった。なんで？
『ん？』
「ん？」
『手』
「いいやん」
『いや、別にいいけど。のんすけすぐ戻ってくるよ？』
「うん」
うん、って言いながら相変わらず繋いだ手を離すことはせず、それどころかにぎにぎと寂しそうに何度も握ってくる。帰ってきた時から薄々感じてたけど、もしかして今日甘えたい日やった？だからのんすけが泊まるの怒ってたん？
あー、もうなんか、なんでこんなにかわいいんかなあ、この人。
『ふふ、(笑)』
「、なんやねん、」
『あーあ、あの部屋のベッド、セミダブルやから十分2人で寝れると思ってんけどな〜。……のんすけと誠也くんやし』
「誰がちっちゃいや」
『……そんなこと言ってないもん』
思いはしたけど、言ってはないよ。だから嘘はついてないもん。うん。嘘はついてないのに繋がれた手とは反対の手であたしのほっぺむぎゅってつまんでくる誠也くん。
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作者名：てと | 作成日時：2022年9月3日 5時
