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『傷んでるねえ』
情事後、腕の中で俺の金色に染まった髪をくるくると弄びながら、Aがぽつりと言葉をつむぎ出した。真似するみたいに、Aの長くて茶色い綺麗な髪の毛をくるくると指に絡めてみる。
「んー？急いで染めたからなあ」
『せーやくんの金髪すき』
「ふは、ありがとう(笑)俺もAの髪、綺麗で好きやで」
『次何色にするん？』
「なんやろ？ほんまはピンクにしたかってんなあ」
『いいなあ。ピンク。あたしもピンクしたい』
「やったらいいやん(笑)」
『むりやってえ。まだ撮影あるもん。そういう役こえへんかなあ』
「髪の毛ピンクの役？(笑)」
『そう』
「来たらええな(笑)」
『ほんまはね、』
「ん？」
『今日大阪まで来た理由。サプライズしたいのもあったんやけどね、』
「他にもあるん？」
『えっと、あの、』
「なに？ちゃんと目見て言うて」
『お誕生日、一番最初にお祝い出来たからいいや〜って思っててんけど、一番最後にお祝いするのもあたしがいいな〜あたし以外の人やったらちょっといややな〜とか思ったら体が動いちゃっ、て、たん、よね、』
「……はあ、おま、ほんま、」
『あ！ごめん！重いよね！ごめん！来年からは気をつける！もうしません！』
「もう1回いける？ていうかもう1回シよ」
『え？ちょ、いや、むり、ていうかケーキ、』
「終わったら食べたらいいやん」
『それさっきも言った！』
「誕生日やねんけど？」
『もう日付変わってる！誕生日終わった！ちょ、ん、あっ、』
下から唇を掬いあげれば、火照りが治まりきってないAの顔は、口で言う割には満更でも無さそうなぐらい熱を帯びて甘い表情をしていて。
みんなの憧れの的で、かっこよくてかわいくて人気者のAのこんな顔は俺しか知らんし、これから先も俺だけが知ってればいい。そんなドロドロの独占欲に包まれながら、Aがもっともっと俺のことで頭いっぱいになればいいのになんて願った。
HBD!!!!!!
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作者名：てと | 作成日時：2022年9月3日 5時
