アルストロメリア (ページ11)

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「なあ、A。ちゅーして」

『へ！？なんで！？なんで急に！？』

「いっつも俺からやん。たまにはAからしてや」

『むりむり。むりやって』

「俺誕生日やねんけど」

『えぇ……、ほんまにすんの……？』

「ほら、早く」

わざとらしく唇を突き出し目を閉じて待ってみる。えぇ、とか、うーん、とか唸ってたAはようやく観念したのか、ちゅっとほんまに一瞬触れるだけのキスをしてきた。なーんかちゃうねんけどなあ。まあ頑張ったしかわいいし許したるか。
目を開ければ近くにあったAの顔は恥ずかしさからなのか真っ赤に染まっていて、少し涙目になりながらこっちを睨みつけている。なんなん怒ってるん？ていうかその顔、逆効果なん知ってる？

「煽ってんの？」

『あおってないもん』

「ふーん？(笑)」

『したで！もういいやろ！ケーキ食べよ？ね？』

「あとで食べたらいいやん」

『日付変わっちゃう！」

「はいはい。頑張ったのは認めるけど俺が求めてるちゅーはこっち」

『んっ、』

体を起こそうとしたAの腕を引っ張りもう一度ベッドへと沈めると、さっきとは違う、啄むようなキスをする。そのまま体を反転させて、流れるように組み敷いた。

『ちょ、お風呂入ってない、』

「ええよ、別に。今更やん」

『でも、』

「次覚えとけ言うたよな？」

『東京来た時って言ったもん』

「そんなん言うたかなあ？次会った時の間違いちゃう？」

『言ったもん！ここ大阪やからノーカン！』

「もうお前1回黙っとけって」