90 タイミングを見計らって ページ40
〜練習場〜
少し歩きにくい長ズボンを引きずりながら、
練習道具を準備するために立海の用具が置いてある場所へと向かった。
『…ってか、みんな早起きだな』
周りを見渡してみると、そこには集合時間前にも関わらず自主練に励む人影がちらほらと見える。
部員「おい今のは打ち返せたはずだろ!!」
部員「くっ…すいません、もう一球ください!!」
『(すごい…1年生のあの食いつき)』
いずれもレギュラー昇格を目指す一般部員達の様で、
お互い声掛けをしながら打ち合うその姿はさながらプロの様にも見える。
『(まぁ先輩がいない時間にストレスフリーな環境で練習するのも大事だよね)』
そうして懸命に練習をする他校の生徒を横目に、
私は邪魔にならない様に脇の方へ寄って休憩用の仮設ベンチを組み立て始めた。
*
カチャカチャ
『…ふぅ』
みんながベンチに座った時に崩れ落ちない様に、
一つ一つのネジを渾身の力で閉めなければいけないのが地味にしんどい。
『疲れた…てかこのベンチなんなの?部品多すぎだし、毎日使うものなのにわざわざ練習終わったら解体するとかいう謎のルール…」
朝イチで体力を消耗していく事に不安を覚えながら、やっと5台のベンチを組み立てると、少し休憩しようとドライバーを床に置いた。
??「…あの、ちょっとええかな?」
するとその瞬間を待っていたかの様に誰かに肩を叩かれ、
後ろから声をかけられる。
『ん?なんでしょう…』
地べたに座ったまま振り向くと、そこには何やら見覚えのある男の人が立っていた。
??「…もし間違うてたらほんま申し訳ないんやけど…」
何やら自信なさげに私の顔をチラチラと確認する彼。
あー…それにしてもこの人、何処で見たんだっけ?
そんな事を考えているとその男の人は一礼してしゃがみ込み、
私と同じ目線になってから口を開いた。
白「自分、四天宝寺の白石蔵ノ介言います。ええと、AAさんで合ってる…やろか」
『…!!』
四天宝寺、そして白石蔵ノ介と言う名を聞いて、ハッとした。
私が立海に来る前に配属指名されていた学校、四天宝寺。
そして彼はパンフレットで見た部長さんだ。
通りで見覚えがあると…
『いやいや合ってるよ!私がAです』
そう言うと彼は合っていてホッとしたのか、
胸を撫で下ろして優しく微笑んだ
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キャメル(プロフ) - まゆさん» まゆさん、ありがとうございます!(;_;)その言葉で私もお仕事頑張れるし、ほんとに嬉しいです…これからもどうぞよろしくお願いします^_^ (2022年10月31日 21時) (レス) id: 0837b0830d (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - おもしろいです。更新楽しみに仕事頑張れます(o^^o) (2022年10月31日 19時) (レス) @page49 id: d99fc6d444 (このIDを非表示/違反報告)
キャメル(プロフ) - 小筆さん» 初めまして、小筆さん!!そんなそんなありがとうございます!!そういうふうに言って頂けるだけで本当に嬉しいです(^^)これからも楽しんでもらえる様に頑張るので見守って頂けたら嬉しいです❣️ (2022年10月18日 22時) (レス) id: 0837b0830d (このIDを非表示/違反報告)
小筆(プロフ) - いつも見させて頂いてます!大好きなお話なので、これからも頑張って下さい!ずっと応援してます! (2022年10月18日 21時) (レス) id: fe225f18e6 (このIDを非表示/違反報告)
キャメル(プロフ) - こかさいだーさん» 詫びようとする幸村くんいいなと思って書いたので反応してくれて嬉しいですw(^ ^)!!!!詫びすぎず詫びなすぎず頑張ってほしいですね🤭 (2022年9月29日 15時) (レス) id: 0837b0830d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:研究員 | 作成日時:2022年9月21日 20時