63 【柳vs幸村】仲間割れ ページ13
〜柳Side 〜
柳「あれは、精市と…A?」
視界の隅に何やら動くものが目に入ると思えば。
部活開始早々にも関わらず、
精市がAの手を引いて木陰へと消えて行く。
2人の表情から普通ではない空気感が見てとれた。
俺は迷わず練習を中断し、後をつけて近くの陰に身を隠した。
ーーーーー
幸「…昨日は俺が早まってしまったね」
『私こそ…』
ーーーーー
聞こえるか聞こえないかのギリギリの位置から、
なんとかその内容を聴き取っていく。
柳「………」
そうして最後まで2人の会話を聞いてみたものの、
とてもこのまま聞かなかったことにはできない内容だった。
思い違い?キス?
精市、お前は一体何を…
そうして2人の話は終わりAが仕事に戻るのを確認すると、俺は迷う事なく一歩踏み出し精市の肩をガッと掴んだ。
柳「精市!今の話はどういう事だ?」
肩を掴まれたまま、精市はゆっくりとこちらを振り向く。
そうして俺の姿を見るや困った顔でふぅ、とため息をついた。
幸「…やれやれ。盗み聞きかい?」
精市は腕を組み直し、
近くの木にもたれかかりながら静かに笑う。
柳「そのつもりはなかったのだが…今の2人の会話を聞く所、このまま何も聞かなかったことにはできなくてな。詳しく聞かせてもらおうか」
内心焦る気持ちから一歩前へ踏み込んだ。
幸「…どこまで聞いてたかは知らないけど。おそらく盗み聞きした内容そのままに相違ないよ」
あまりにもあっさりと認めるのは、彼なりの諦めなのだろうか。しかし内容が内容なだけに、俺からも一言言わせてもらう他はない。
柳「…精市お前、つい一昨日レギュラーの連中を集めてAとの距離感に対する注意喚起をしたばかりだろう?
それに仮にも合宿前なんだぞ、部長であるお前がいきなりこんな道逸れた事を…」
幸「蓮二。俺を咎めるのは一向に構わないけどね。君の方こそAさんをむやみに追い回して情報収集しているんじゃないのかい?」
柳「…?いきなり何を言う」
精市が俺の言葉を遮ってまで発した言葉は、全く心当たりのない内容の尋問で、たまらず言葉を失う。
放心しかけていると、精市は俺のポケットから半分はみ出していたノートに視線を落とした。
幸「ウサギちゃんの中にGPSを仕込んだのは君だろう?」
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キャメル(プロフ) - まゆさん» まゆさん、ありがとうございます!(;_;)その言葉で私もお仕事頑張れるし、ほんとに嬉しいです…これからもどうぞよろしくお願いします^_^ (2022年10月31日 21時) (レス) id: 0837b0830d (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - おもしろいです。更新楽しみに仕事頑張れます(o^^o) (2022年10月31日 19時) (レス) @page49 id: d99fc6d444 (このIDを非表示/違反報告)
キャメル(プロフ) - 小筆さん» 初めまして、小筆さん!!そんなそんなありがとうございます!!そういうふうに言って頂けるだけで本当に嬉しいです(^^)これからも楽しんでもらえる様に頑張るので見守って頂けたら嬉しいです❣️ (2022年10月18日 22時) (レス) id: 0837b0830d (このIDを非表示/違反報告)
小筆(プロフ) - いつも見させて頂いてます!大好きなお話なので、これからも頑張って下さい!ずっと応援してます! (2022年10月18日 21時) (レス) id: fe225f18e6 (このIDを非表示/違反報告)
キャメル(プロフ) - こかさいだーさん» 詫びようとする幸村くんいいなと思って書いたので反応してくれて嬉しいですw(^ ^)!!!!詫びすぎず詫びなすぎず頑張ってほしいですね🤭 (2022年9月29日 15時) (レス) id: 0837b0830d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:研究員 | 作成日時:2022年9月21日 20時