62 ライバルの可視化 ページ12
ブ「それやるからさ。交換しようぜ!」
『?うん、別に良いけど』
赤也のは別にプレゼントされた訳じゃないし、
まあ良いだろうと私はそのままリストバンドを交換した。
けどなんかコレ、ブン太の汗で湿ってる…
ブ「じゃっまた後で」
そして満足そうに手を振って戻っていくブン太を見届け、記録を取るために再び一年生のコートへと歩き始めた。
するとすぐに後ろからトンと肩を叩かれる
幸「Aさん、おはよう」
『ん?…せ、せ、精市!?お、おはよ』
振り向くとそこには今1番会いたくなかった人がいた。
心の準備もないまま鉢合わせてしまいあたふたとしていると、
精市は私のバレバレな態度に何か思うことがあったのだろう。
突然私の腕を掴んで人気のない木陰へと引っ張っていく
『えっちょっ…』
木の下に着くと、精市は周りに誰もいない事を確認してから真っ直ぐと私の方を向いた。
幸「Aさん、やっぱり昨日の事気にしてる?」
『えっ…と』
予想はしていたが、その直球すぎる質問に一瞬狼狽えてしまう。
しかし後退りできない状況に、腹を括った私はこう言い放った。
『…正直、めっっちゃ気にしてる!!』
だって、気にしないでと言う方が無謀だよ。
しかも昨日は私から目を閉じたくせにいきなり抵抗して、
精市が謝るっていう理不尽な感じだったし…
だからといってそのまま続ける事もできなかったけどさ。
すると精市は私の目を見て、やっぱりねと溜め息をついた。
幸「…昨日は俺が早まってしまったね。驚かせてごめん。
せっかく来週から合宿なのにこんな雰囲気じゃ嫌だな」
『う…』
その核心を突く一言に返す言葉も無くなる。
精市は悪くないのに。
『…いや私こそごめん。その、変な雰囲気にしちゃって』
幸「いや、俺は良いんだけど…なんだかAさんが自分を責めている様に思えてね。
フフ、俺は可愛いお姉さんとキスできてラッキーって思っとく事にするから、あまり昨日の事は気にしないでほしいな」
精市はおそらく気を遣ってくれたのだろう。
らしくない冗談を言って、トンと私の背中を叩く。
その手から精市の優しさが伝わってくるのがわかった。
『あはは…そうだね、私も精市との絆が深まったって思っとくことにする!なんかごめんね、本当ありがとう』
幸「よし、その調子だよ」
キュッと2人で仲直りの握手をする。
わだかまりも解けて肩が軽くなったのを感じながら、仕事へと戻った。
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柳「…」
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キャメル(プロフ) - まゆさん» まゆさん、ありがとうございます!(;_;)その言葉で私もお仕事頑張れるし、ほんとに嬉しいです…これからもどうぞよろしくお願いします^_^ (2022年10月31日 21時) (レス) id: 0837b0830d (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - おもしろいです。更新楽しみに仕事頑張れます(o^^o) (2022年10月31日 19時) (レス) @page49 id: d99fc6d444 (このIDを非表示/違反報告)
キャメル(プロフ) - 小筆さん» 初めまして、小筆さん!!そんなそんなありがとうございます!!そういうふうに言って頂けるだけで本当に嬉しいです(^^)これからも楽しんでもらえる様に頑張るので見守って頂けたら嬉しいです❣️ (2022年10月18日 22時) (レス) id: 0837b0830d (このIDを非表示/違反報告)
小筆(プロフ) - いつも見させて頂いてます!大好きなお話なので、これからも頑張って下さい!ずっと応援してます! (2022年10月18日 21時) (レス) id: fe225f18e6 (このIDを非表示/違反報告)
キャメル(プロフ) - こかさいだーさん» 詫びようとする幸村くんいいなと思って書いたので反応してくれて嬉しいですw(^ ^)!!!!詫びすぎず詫びなすぎず頑張ってほしいですね🤭 (2022年9月29日 15時) (レス) id: 0837b0830d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:研究員 | 作成日時:2022年9月21日 20時