61 【赤也】物 ページ11
〜赤也Side 〜
いつだったかAさんが俺の服を着て来た日があった。
ホテル生活で服が足りないとこぼしていたのを思い出し、なんとなく持ってきて渡した俺の服。
『赤也の服、早速着てきちゃった』とニコっと俺に笑顔を向けた時、俺は既にやられていたのかもしれない。
少し余った袖を捲し上げる仕草も、なんか萌えるっつうか…
赤「(帰り際にAさんから俺ん家の香りがして、完全にトドメ刺されちまったんだっけ…)」
目の前でリストバンドをつけるAさんを見ながら、思った
その時からだろうか。
“俺の使った物を持っていて欲しい”という欲求が生まれたのは
それからは小さい物なら負担にならないだろうと、毎日文房具や小物を漁ってはAさんに渡すのが日課になっていた。
…まあ最近はちょっと控えねえととは思ってるけどさ。
『ありがとう、じゃあ今日はこれつけて仕事するねー!』
それでもこうしてAさんが笑うと、
やさぐれた心が満ちていく。
これも幸村部長の言ってた目に見える執着ってやつなのか?
赤「いいえ!もう皆来てるんで俺らも行きましょっか!」
『うん』
ーーーーーーーー
〜貴方side 〜
ガチャ
部室を出て赤也と別れると、
すぐに後ろから私を呼ぶ声がした。
ブ「A!!」
『…?あ、ブン太。おはよ』
私を見つけた瞬間、
いつもラケットを放ってこちらへ走ってくるのはブン太だ。
ブ「…あのさ、昨日一回も既読つかなかったけど。
なんかあったのかよ?」
『え?あ…ラインくれてたんだ?昨日眠くてすぐ寝ちゃって気づかなかった』
昨日は色々あってすっかり返信を忘れてしまっていたが、なるべく傷つけない様にとりあえず言い訳をする。
ブ「…マジで?そっか、心配したぜ…ってあれ、お前リストバンドなんてつけてたっけ?」
するとブン太が私の腕を掴んでグイッと引っ張っり、私の手首をまじまじと見つめた。
『あっこれ?さっき赤也に貰ったんだけ((ブ「はぁ?またアイツから物もらったのかよぃ!」
ブン太が酷く呆れたような顔をしたかと思うと、いきなり私の手首からリストバンドを抜き取って自分の左手に装着する。
ブ「…つか赤也マジでセンスねえよな。どう考えてもAは黒よりこっちの色が似合うだろい」
拗ねた顔をしながら、ブン太が逆の手首につけていた黄色のリストバンドを外して私の手首にくぐした。
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キャメル(プロフ) - まゆさん» まゆさん、ありがとうございます!(;_;)その言葉で私もお仕事頑張れるし、ほんとに嬉しいです…これからもどうぞよろしくお願いします^_^ (2022年10月31日 21時) (レス) id: 0837b0830d (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - おもしろいです。更新楽しみに仕事頑張れます(o^^o) (2022年10月31日 19時) (レス) @page49 id: d99fc6d444 (このIDを非表示/違反報告)
キャメル(プロフ) - 小筆さん» 初めまして、小筆さん!!そんなそんなありがとうございます!!そういうふうに言って頂けるだけで本当に嬉しいです(^^)これからも楽しんでもらえる様に頑張るので見守って頂けたら嬉しいです❣️ (2022年10月18日 22時) (レス) id: 0837b0830d (このIDを非表示/違反報告)
小筆(プロフ) - いつも見させて頂いてます!大好きなお話なので、これからも頑張って下さい!ずっと応援してます! (2022年10月18日 21時) (レス) id: fe225f18e6 (このIDを非表示/違反報告)
キャメル(プロフ) - こかさいだーさん» 詫びようとする幸村くんいいなと思って書いたので反応してくれて嬉しいですw(^ ^)!!!!詫びすぎず詫びなすぎず頑張ってほしいですね🤭 (2022年9月29日 15時) (レス) id: 0837b0830d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:研究員 | 作成日時:2022年9月21日 20時