魔都、隠蔽されし死 ページ8
コナンside
「これは?」
「………百年以上前、魔都と呼ばれる程に危険なヨコハマが、一夜にして崩壊しかけた事があった。
何千人の人が犠牲になった、雨の降り注いだ夜。
災厄とも呼べるそれが引き起こされたのは、たった一人の人物によるものだと言われている」
「たった一人で何千人もの人を殺すなんて、無理じゃない?」
「一夜で、人の手によって殺すのは不可能だ。
だから、恐らく何か___雨等の、広範囲に広がる物なら可能だろう」
沖矢はパソコンに文字を打ち込み、なにかを検索するが、それに引っかかる文献資料は一つもなかった。
軈て溜息を吐き、彼は言う。
「これは政府でもごく一部の人間しか知らない情報だ。
俺が知れているのも、奇跡に近い」
「大事件だったんでしょ?
なんでそんなに知られてないの?」
「これも人々の推測に過ぎないが____ヨコハマの国家機密の政府が揉み消したと言われていた。
だが俺はこの推測が正しいと思っている。
ヨコハマには公になっていない政府組織がある。
ヨコハマは幾つか大事件が起こっているが、日本中に明かされていない。
恐らくその政府組織が隠したのだろう」
「………ヨコハマは何か隠しているのかな」
コナンの言葉に沖矢は肯定も否定もせず、パソコンを閉じ立ち上がった。
そして自分用の珈琲とコナン用のココアを入れて来た時、コナンの脇を指差して言った。
「江戸川君、脇に何か着いているぞ」
「え?」
そう言ってコナンは脇についていた何か__小型の機械を外す。
それに気づいた瞬間、コナンは目を見開いた。
「これって」
「………恐らく聞かれてたな」
沖矢がコナンから受け取り、盗聴器を握り潰す。
二人は顔を見合わせ、それを行なった人物に焦りと、微かな恐怖を覚えた。
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作者名:鸞宮子 | 作成日時:2020年1月12日 16時