【文スト】【名探偵コナン】雨の中で最初に濡れる弐 (ページ7)

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ヨコハマ史上最悪の事件ページ7

コナンside

ポアロを出て、自宅である《工藤》邸に向かうコナン。

家に着き、中に入ると同居人である筈の男の姿はなく、机の上には資料がまとめられて置かれていた。

「………沖矢さんでもまだわかんねえか」

そうコナンがポツリと呟いたのは同居人の男＿＿＿沖矢昴。

彼が整えてくれた筈の陽に関する資料に手を伸ばした時、コナンの《工藤新一》用の携帯がなった。

携帯を見れば、表示されているのは新一の思い人でもある《毛利蘭》の文字。

直ぐに変成器を口元に寄せ、電話に出た。

「おう、蘭。
どうした？」

《もしもし、新一？
えっと、特に用はないんだけどね》

「なんか心配事でもあるのか？」

《違うんだけど、新一、【魚住陽】って人、知ってる？》

蘭の言葉を耳にした瞬間、コナンは噎せてしまう。

蘭の心配する声が聞こえるが、大丈夫と言って「其れで？」と話の続きを促す。

《私は前園子の家のパーティの時に初めて会ったんだけど、最近、コナン君と仲良くしてくれてるらしいの。

其れでね、この前そのパーティで殺人未遂事件があったんだけどね。
その人が傷口を凍らせて、其の儘何処かに行っちゃって。
警察の人が事情聴取したいって言って、話してたお父さんのところに電話をかけてくるの》

「………悪いが、俺はその人知らねえな」

無論、コナンは現場にいた訳で知っているのだが、話を複雑にするのはいけない。

蘭が「そっか、ありがと」と言って電話を切ろうとするのに頷いて、電話を切る。

その時ちょうど玄関の扉が開き、沖矢が帰ってきた。

「あ、お帰りなさい」

「ああ」

短く答えて入ってきたのは糸目の特徴的な学生。

落ち着いた声で話す彼は、荷物を置き、真っ直ぐ居間に来て資料とパソコンを並べて弄り始めた。

「また何かわかりそう？」

コナンが問えば、彼は薄く頷いて、紙を差し出して来た。

「その資料はバーボンが君に見せた物と同じ資料だ。
だが推測に過ぎないが、もしかしたらこの人物は要注意人物かも知れない」

「それって？」

コナンの問いに、沖矢はパソコンからある画像を取り出す。

そこに映るのは瓦礫の山で、血の飛び散る、凄惨なものだった。