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揶揄われる教授眼鏡 ページ42

見事に山之内の策謀を暴いてみせた陽。

不敵な笑みを浮かべる陽の整った横顔を、安吾は丸眼鏡を押し上げてから見た。







「これからどうしますか?」







安吾の問いに、陽は外套のファーについた汚れを払い答えた。








『多分相手は少し時間を置いてから暴露ないうちに国外に____法が緩い国に逃げにいくと思うのですよぉ〜。
なので取り敢えずは、空港に山之内さんの情報を渡して通さない様にしてもらってぇ〜。

………そうですねぇ〜、そしたら国内でぎったんぎったんのばっこんばっこんにやり返してやるのですよぉ〜!』








にこりと綺麗な笑みを浮かべる陽に思わず安吾の頰が引き攣る。

一見綺麗な笑みを浮かべているが、安吾にはその笑みが怒りによるものだと分かってしまった。

此処で陽を刺激すれば自分も何をされるか分からないので、そっと離れて静かに帰ろうとする。








『____ああ、そういえば先刻の安吾君の迫真の演技』









「………………何でしょう?」









『えへへ、録音させてもらったのですよぉ〜!』









「………………チッ」









『あ、今舌打ちしたのですよぉ〜?!
これはとっても貴重なのですよぉ〜!

これからは今日を《安吾君の舌打ち記念日》にしてもいいのですかぁ〜?』








悪戯に笑った陽は、思わず舌打ちをしてしまった安吾ににやにやと笑いかける。

安吾は心底嫌そうな顔で「帰りますよ」と言って車に乗り込む。








『これはぁ〜、とってもぉ〜、希少なのですよぉ〜!』








「………置いていって良いですか?」









『あ、乗るのですよぉ〜!
ごめんなさいなのですよぉ〜?』









最後まで騒がしくして、陽は安吾の車に乗り込んだ。

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作者名:鸞宮子 | 作成日時:2020年1月12日 16時

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