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女装も必要 ページ30

秘書が持っていた盗んだ手帳を清掃員に落としものだと言って渡し、真っ直ぐサーバールームに向かう。

サーバールームの扉の前まで行くと、社員証が必要だった。

一般社員の証明書では、若しかしたら管理部に怪しまれるかもしれないので、偉い人のが必要となる。

オフィスに行き、本部長と書かれたプレートのある机に座っている男性を見つけた。

狙いを定めれば後は実行するのみ。

化粧室に行って髪を崩し女性らしいものに変え、シャツの胸元も開ける。

そして、適当に置いてあった資料を持ち出し胸元に抱え本部長の元へ。







『あ、あの、本部長。
社長の秘書の方がお呼びで………』








「何?
わかった、直ぐ行くよ」








そう言って立ち上がった本部長の後を少しだけ付いて歩く。

そして不意に声をかけた。








『あ、塵がついてますよ』








「あ、ああ。
済まない」








にこりと女性らしく微笑めば、男性は顔を赤くし直ぐに歩き去って行く。

手元にすった社員証を握り、隠しサーバールームに続く扉へと戻った。







『………よし、開いた』








誰も周囲にいないことを確認し、室内に入る。

コンセントを接続できるところを探し、そこにある機械を差した。

これは先刻花袋に言っていた機械で、花袋が陽に作ってくれたものだ。

機械音痴の陽が困らないように、作ってくれたもの。

それ以来これを愛用していて、花袋に陽は感謝していた。








『………花袋、頼むぞ』









《了解した》









花袋と連絡を繋ぎ、後は全て花袋に任せる。



現在いる階は二十階前後。

頑張れば降りれる高さだが、白昼堂々降りるわけには行かない。

取り敢えず、なるべくは出口から出たいものだが。








《終わったぞ》









『ん、ありがと』









短く告げ、機械を抜く。

それを握り、サーバールームを後にした。

真っ直ぐ降りようかなどと考えていると、階下から話し声が聞こえた。







「どうやら、侵入者がいるらしい。
使っていないはずの社員証が使われているそうだ」







「連絡が入った、サーバールームだ!
まだ近くに居るはずだ、探せ!」








『______!』








想像以上に早く気づかれた事に驚き、咄嗟に物陰に身を隠す。

若しかしたら社員証を持っていればバレるかもしれないので、社員証を塵箱に捨て、急いで昇降機に飛び乗った。

怖い怖い追いかけっこ→←女性を落としまくる杉浦さん


ラッキーアイテム

谷崎ナオミのセーラー服


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作者名:鸞宮子 | 作成日時:2020年1月12日 16時

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