魔人の遊戯 ページ25
『____はぁ〜い、只今魚住さんは電話に出ることができないので、切らせて貰うのですよぉ〜』
《____馬鹿言わないでください。
今喋ってるのは誰ですか》
『魚住陽と言う人の声帯を模写して作られた機械音声なのですよぉ〜』
《………本題に入りますよ。
手短に終わらせますからね、よく聞いてください》
『あれぇ〜、怒ってるのですよぉ〜?』
《切って良いですか?》
敦達にドストエフスキーからの情報を渡した翌日。
だらだらと過ごしていると、《非通知》と表示された電話がかかって来た。
そこで、暇だった陽はその電話相手と“お喋り”をしていた。
度が過ぎて相手を怒らせてしまったので、「ごめんなのですよぉ〜」と言って先を促す。
相手__フョードル・ドストエフスキーはため息を吐いて、話し始めた。
《情報が入りました。
ですが、交換条件です》
『あは、今更そんな条件受け付けると思ってるのですかぁ〜?
遊戯で負けた君はぁ、情報を全て無償で渡すという条件の下、勝負に乗ったのですよぉ〜』
《いえ、言い方が悪かったですね。
正確に言うと、【情報の在り処は掴んだが、情報を入手出来ていない】それが正しいです》
『ん〜、【鼠】ならその情報を掴むぐらい簡単な筈なのですよぉ〜?』
陽がした質問に、ドストエフスキーは「貴方なら分かり切ったことでしょう」と前置きしてから続けた。
《ぼくは今露西亜に居ますから、日本に手出しできないんです。
出来ないことはないですが、それなら貴方がやった方が確実でしょう?》
『それもそうですねぇ〜』
ドストエフスキーの言葉に頷いた陽は右耳を触りながら答えた。
『その情報を持っている組織を潰せば、私は情報が手に入る。
そして、フョードル君は潰したい組織が潰せる。
あってるのですよぉ〜?』
《ええ、正解です。
条件、呑んで頂けますね?》
『良いのですよぉ〜。
仕方がないから、やってあげるのですよぉ〜』
《そしたら後で情報を送りますね》
『了解なのですよぉ〜』
電話を切り、陽は手に持っていた本を閉じる。
そして、桃色の唇を横に引き、誰に言う訳でもなく呟いた。
『____Hurleburlebutz、snow white
あは、楽しみなのですよぉ〜』
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作者名:鸞宮子 | 作成日時:2020年1月12日 16時