ロシア帽の彼は少々乱暴 ページ12
コナン達が不思議そうにこの光景を見てくるのを無視し、携帯の電源を切ろうとした時、ある画面が表示された。
《爆発まで、三》
「え?」
『………本当、幼稚な子なのですよぉ〜』
表示されたのは鼠の印と爆弾の絵、ご丁寧なカウントダウンだった。
陽の携帯はハッキングされたのだ、勿論、鼠によって。
外に出る時間もなくその場で電話に出る陽。
第一声に、盛大な溜息をかぶせてやった。
《………行成ため息なんて、酷いじゃないですか》
『だってぇ、電話に出ないからって爆発させる事無いと思うのですよぉ〜』
コナンが「誰?」と聞いてくるが、人差し指を己の唇に当て黙らせる。
『それで?
昨日人を舐めた所為で負けてしまった鼠君が、何の用なのですよぉ〜?』
《本気で爆発させてあげましょうか?》
『あは、それじゃ多分死ねずに耳だけが欠けてしまうのですよぉ〜?
他の方法で殺してくれるとありがたいのですよぉ〜』
にこにこと笑いながら言う陽。
だがその笑みはいつもより黒い。
挑発し、挑発し返す会話は陽の所為で少し噛み合わなくなった。
《本題に移りますよ、異能組織が次に襲撃する際の情報を掴みました。
ですが、場所はまだ分かりません》
『態々教えてくれるってことは、鼠の方で潰すつもりだった、ってことなのですかぁ〜?』
《ええ、そうです。
情報はメールで送っておきますから。
其方に一般の方がいらっしゃいますよね?》
『ん〜、否、あんまし一般人じゃ無いのですよぉ〜』
《そうですか、取り敢えずその人達は巻き添えにしないほうがいいでしょう。
面倒臭くなる》
『フョードル君がそんなこと言うなんて珍しいのですよぉ〜。
………なんか理由があると思うのでぇ、気を付けるのですよぉ〜』
軽口を交えながら電話を終えれば、コナンが此方を見てきて言った。
「ねえ、誰から?」
コナンの問いに陽は首を微かに傾け、桃色の唇を横に開き答える。
『鼠の頭目、からなのですよぉ〜』
「どういう事ですか?」
安室の問いにへらへらと笑い返し、席を立った。
其の儘、歩き出し____
『____君はぁ、黙ってれば先刻から何をしているのですよぉ〜?』
「______っ」
近付いた学生の手に握られていたのは、小型カメラと録音機だった。
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作者名:鸞宮子 | 作成日時:2020年1月12日 16時