やったるぞー(棒) ページ11
『ん〜………』
そう言ってソファに寝転がるのは陽。
耳を触りながら、先日安吾に貰った資料を眺めて居た。
先程から陽はずっと唸って居て、どの様に相手を倒すか、考えているのだろう。
他人の命をなるべく脅かさず、自分の目的も達成できる最適解を。
『………ん〜』
時にはひっくり返り、時には足をバタつかせ。
ソファの上という狭い空間でも忙しなく動き続ける陽が、不意にピタリと止まった。
それと同時に、徐に立ち上がり、叫ぶ。
『やったるぞー、なのですよぉ〜!』
****
『____コナン君、安室くーん』
ポアロにひょこりと顔を出し、目的の人物がいる事を確認する。
二人が驚いた様に目を見開けば、ひらひらと手を振っていつものカウンター席に座った。
どうやら今日は先客がいる様で、見慣れない青年がテーブル席に座っている。
糸目の彼はこちらを気にする様子もなく持っていたパソコンを弄り続けるので、安室をちらりと見た。
彼の顔には何時もの笑みが貼り付けられているものの、微かに雰囲気が違い、安室がこの人物を好いていないことがわかる。
安室が嫌いになるくらいだ、よっぽどの問題児で只者ではないだろう。
『公安か……他の政府組織か』
耳を触りながらポツリと呟けば、コナンが首を傾げて尋ねてきたので、無視して何時もの珈琲を頼む。
小腹も空いていたので、ハムサンドも頼んだ。
『ちょっと其処の君〜?
此方で一緒にお話するのですよぉ〜?』
「えっ」
「お姉さん?」
「あ、いえ。
僕は此処で結構です、すみません」
彼を誘った途端、安室の笑みが引き攣り、コナンは少し慌てた様に此方を呼ぶ。
丁寧に誘いを断ってきた彼を横目で見て、「ふうん」と呟き、安室がくれた珈琲に口を付ける。
「お姉さん、急にどうしたの?」
『今日は人恋しいのですよぉ〜』
「嘘でしょう」
安室の言葉に何時もの笑みで返し、ハムサンドにかぶりついた。
その時、ポケットに入れていた携帯が振動する。
手を拭き、携帯を手に取れば《非通知》の文字が。
だが、陽にはわかってしまった、この相手が誰か。
直ぐに着信拒否をし、食事を始めようとするとまた鳴り出すので、また拒否をする。
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作者名:鸞宮子 | 作成日時:2020年1月12日 16時