【鬼滅の刃】彼をどうしても振り向かせたい 弐【童磨】

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男は手を離すと、何故か近づいてくる。


…なんでこんな密着してんの？





『えっ、近くない？』



「あぁすみません！！」





……と、謝ってるけど離れてくれない。何故？





繋がれていた手や触れていた体から男の匂いがする。
人間の匂いだ。


お腹空いてきたな……



でも、帰ってからあの女を食うために、
お腹は空かせておこう。







『……』



「〜♪」



私が真顔で黙々と団子を食べる中、
男はキラキラの笑顔で鼻歌を歌いながら団子を頬張っているという異様な光景。





隣の方からはこのお店の主であろうおばちゃんと
お客さんの会話が聞こえてくる。



「あの子達、喧嘩でもしたのかねぇ……」


「距離近いし女が不機嫌なだけじゃねぇの？
ほら、男はあんなに楽しそうじゃねぇか」





いやいややめてくれ。
ただの信者と教祖様の側近ってだけの関係だから。





チラッと隣を見てみると



「！」


『(げっ)』





男と目が合った。

え、なにこっち見てたの？




「私たちはやっぱり、そんな風に見えるのでしょうか」



『』






この人にもおばちゃん達の会話が聞こえていたようだ…
だからこっち見てたワケね。ハイハイハイ






それにしても私の体、男臭いなぁ……
帰ったら童磨にも気付かれるだろうな。

まぁいっか。






男は既に食べ終わり、私も残り1個の団子を食べ切ると男が真っ先に会計へと向かった。

お金、払ってくれるのだろうか。




私も付いて行きお金を出そうとすると、
男が手でそれを制した。え、なんで？




「私が無理やり連れてきたんですから、払わせるにはいきません」



『……すみません。お言葉に甘えます。
貴方、優しいね』




私がそう言うとまた頬をほんのり赤くさせた男。


……そういえばまだ名前を知らない。

でも知る必要も無いか
人間は私達鬼の食べ物なんだから







「美味しかったですね
貴方と一緒だったから、余計に美味しかったのかも」


『そんな事ないと思うけど……
お団子、確かに美味しかった。
連れてきてくれてどうもありがとう』




ニコニコ笑う男につられて私も笑うと
男が眉尻を下げて次は悲しそうに、切なそうに笑った


急にどうしたのだろう

私何か言ったっけ……？





「こんな事をしてしまったら、教祖様はお怒りになるでしょうか」


『……？』




何がだ。


本当に訳が分からない人間だ

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