【鬼滅の刃】彼をどうしても振り向かせたい 弐【童磨】

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「…わ、鏡…？」





風呂敷を開け鏡を取り出すと忽ち目を輝かせた童磨



『お店のおじさんが、女が男に鏡を贈るのは
“魂だけでもついていって貴方を護る”
……だそうだよ』



そう伝えると童磨はとても嬉しそうに笑った

やっだ可愛い……目の保養である





「俺の事護ってくれるのかい？A」



『いやもう全力で護り抜きます最高ですありがとうございます』




あぁ、そう言えばこんな事も言ってたな…
本当なのかはわからないけど、本当だったらいいなぁ……なんて。






『あと、男が女に簪を贈る時の意味って……』



「うん？」




ニコニコと笑いながら童磨が首を傾げる。

…うわぁ、そんな顔されると言い難い……






『…い、“一生を添い遂げたい”

それと、“お前の髪を乱してみたい” ……って』




最後、言い切った瞬間顔に熱が上るのがわかった。
本人にこんな事を言うのはさすがに……。




すると童磨は目をぱちくりさせた後、
楽しそうに口角を上げて私をじっと見つめた。

その綺麗な瞳には私がしっかりと映っていて思わず見惚れてしまった私。


やだかっこいい……





「へぇ、そうなんだね？
全く知らなかったなぁ、……ふ、」





そして私が贈った鏡を片手にポンポンと私の頭を撫でた



……いや、その顔を見て分かった。
最後笑ってたし、思いっきり。


絶対知ってたよね、意味。





『あの、その意味って…』




私がその意味を尋ねようとした瞬間、童磨は笑った表情のまま私を見つめ頭を撫でる手を止めた。


そしてスルリとその手を下に落としていき、
髪の束を掬う。



…………なんていうか、うん、色っぽい表情で。





「うん、……なあに？」


『……えっと、』




私の髪を弄りながら問い掛けてくる童磨。
何か聞きにくい……！





『……なんでもない。』


「……そう？」




童磨は私の様子を見て満足そうに笑った。





そしてせっかく先程童磨を離す事が出来たのに、
また童磨に引き寄せられ優しく抱きしめられる。

何故私を抱きしめる。(気絶寸前)




ひんやりとした童磨の体が私の熱を奪って気持ちいい。




『むふふ』



そんな幸せな時間を噛み締めていると、
童磨の手に持たれた鏡がふと目に入った。







『……え、……』



「ん〜？」









童磨は何でもないような様子で返事をするけど







その鏡、



広い範囲でヒビが入っていた。

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