【鬼滅の刃】彼をどうしても振り向かせたい 弐【童磨】

８０ ページ31

･




「さっきよりも綺麗な気がする」



童磨も同じ事を思っていたのか私の隣で小さく呟く。




『私も思った。
きっと童磨と一緒だからだろうなって』





考えていた事が同じで嬉しくなり、思わず笑いながらそう言うと童磨が私の両頬を片手で挟むようにして掴んだ。



「そんな口説き文句どこで覚えてきたの？」


なんて言って。




そして、くすりと笑って月を見上げる彼。





『……、』



そんな彼に思わず見惚れてしまう。





風にゆらゆらと靡く髪がとても綺麗で
ふと、その髪に触れたくなった。






「……わ、なになに？」



『ごめん思わず。』





最初は髪を触る程度だったけど、気持ちよさそうにしてる童磨が可愛くてついつい頭を撫でてしまう。





『いつもお疲れ様
もし人の悩みを聞いてて疲れたりしたら、私がいつでも童磨の話を聞いてあげるから』



「……ん、ありがとう」





優しく笑った彼。
月明かりに照らされて、とても綺麗だった。


正直言って月よりも綺麗だと思う。(真剣)






そんな時、童磨が静かに聞いてきた。






「ねぇ、Aは痛みを感じないのかい」



『……ん？何のこと？』





いや…痛みは感じるけど。

あぁでも、無関心な相手から与えられる攻撃は別にどうって事ないかもしれない。





「あの男に子宮 目掛けて二度刺されても笑ってたじゃないか。平気だったのかい？」



『うん、平気。どうせすぐ治るし

私、何故か童磨以外からの攻撃は毒以外、痛みを感じないんだよね。なんでかな？』



「それは俺も聞きたいよ。」





お腹を擦りながら私も月を見上げる。






「俺、何度かAを喰った事あるよね」




突然、童磨が月を見上げながらそう呟いた。

……そりゃあ、最近も血を吸われた記憶があるけど。




「でも俺は陽の光には当たる事が出来ない
それって、Aを喰べても意味は無いって事だよね

だからあの方もAを喰わないんじゃないかな？」





……確かに、言われてみれば。

あの方だって何度も私の血を吸ったり一口だけ喰った事がある。

童磨だって。





『私の血は何度も吸われてるし、変化は無いのはそういう事なんだよね、きっと。』



「……え、吸われた事あるの？」



『え、あるよ』




私がその問いかけに頷くと童磨は顔を顰めた。




「……そっか、そうだよね……うん。
まぁ………あの方なら仕方ないか……」



ため息をつくと、笑顔に戻る。
一体どうした。

８１→←７９

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す