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童磨の部屋から出た後、直ぐに自室に戻り浴場へと向かった私。
私はお腹がいっぱいで無理だから、あの2人は童磨が喰べてくれるらしい。
胃袋どうなってんだ
こんな真夜中に湯浴みをしている人はやはりいない。
つまり貸切状態。
広い浴場に私1人だけってなんだか寂しいな。
『……毒、』
たまに思う事がある。
私がもし、死んでいたらって。
さっきだって私は死んでいたかもしれない。
あんな弱い相手の強力な毒に、負けていたかもしれない
もしそうなっていたら童磨はどうしていただろうか
私の事を喰べてくれただろうか。
『いや、毒に侵された体なんて喰わないか』
私だって嫌だもん、毒まみれの人間を喰べるなんて。
そんな事を考えながら血を流して体も髪も洗い終える。
一度お風呂には入っていたし特にすることは無い
深くため息をついて立ち上がり、ちょっと早いけど浴場を後にした。
……童磨も待ってくれている事だし。
*
お風呂から出て髪も体も水気を拭き取り、
着物を身につけてから脱衣所を出た私。
静まり返った暗い廊下を長々と歩く。
浴場から部屋までの距離が近く、簡単に行き来できるから結構楽。
冷たい空気が私の火照った頬を冷やしていく。
『……さすがにこんなだらしない着物じゃダメだよね。』
部屋に辿り着き鏡を見てみたところ、寝間着用(寝ないけど)の着物の色が地味すぎて。
相手は童磨なんだ
彼は着飾らなくても綺麗。
隣に居ても恥ずかしくないように、
厚かましいけど釣り合うように。
風呂上がりの地味な着物は脱ぎ、色鮮やかな着物に袖を通す。
化粧をせずに逢いに行くのも私のプライドが許さないので紅も引いていく。
髪を梳かし、顔面に異常がないか鏡で確認。
準備も整ったところでいざ、童磨に逢いに行く。
確か童磨は “ここに来て” って言ってたよね。
童磨の部屋だよね。
手鏡も持って来ればよかった!!
5分置きに鏡で顔面を確認しないと不安!!
あの男の時は別に何も思わなかったのに不思議。
やっぱり好きな人は特別なんだなぁとしみじみ思う。
あれこれ考えていると童磨の部屋に辿り着いた。
『……?』
でもそこには童磨の気配がない。
先に行ってしまったのだろうか?
とりあえず、童磨の部屋の外で待つことにした。
楽しみだなぁ。
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おもち(プロフ) - るみさん» おおお……!!!コメントありがとうございます……ッッ!!!こちらこそ感謝です……っ゚(゚´Д`゚)゚。 (2020年1月4日 15時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)
るみ - 今ここまで読んで見ましたが……私の想像以上に最高の作品でした!!書いてくれた作者さんありがとうございます!! (2020年1月4日 13時) (レス) id: b36153d67a (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - クラゲさん» ヒビが……(´・ω・`) (2019年12月1日 18時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - うささん» そそそそそんなに!!!?滅相もない!!!(;▽;)嬉しいですぅぅぅぅぅありがとうございますぅぅう!!!!゚(゚´Д`゚)゚。 (2019年12月1日 18時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - paopaoman217さん» え!?ありがとうございますっっ!!!!ヽ(;▽;)ノ更新待っててくださいね〜!!(≧▽≦) (2019年12月1日 18時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おもち | 作成日時:2019年11月17日 23時