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『さてと。』
私もお腹が空き、氷漬けにされてる男に近づいた。
これでも女だ、夜だしあまり食べたく無かったけど仕方ない。
「……ん、A?何してるの?」
『…え?お腹空いたからこれを喰べようかなと、』
すると童磨はムッとした表情で私を引っ張ってきた。
なんだなんだ。あと童磨の表情可愛い。
「別にそんなの喰べなくてもいいじゃないか」
『いやお腹空いたんだけど!』
何でそんなにプンプンしてるの!?可愛い!!
「じゃあこっち喰べていいよ、
喰べかけだけど許して。俺がそれ喰うから」
『食べかけ!?むしろ嬉しい、ご馳走様です!!』
食い気味に頷くと引かれてしまった。
無言やめて。
「…ていうか、よくこんな氷漬けの男喰べようと思えたよね。」
『童磨こそ男を喰べるなんて珍しいね』
……あ、女美味しい。
『童磨の歯型がついてる。』
「だって今喰べてた所だし」
そう言って振り返る童磨。
私はその歯型に合わせるように同じ場所をかじってみた。童磨のかじった跡の方が大きくて、私と童磨の口の大きさが違うのがわかる。
「…Aってそういう事何も考えずにするよね」
童磨は顔を手で隠しながらそう言うと
次はこちらに背を向けて男を喰べ始めた。
「…冷たいから美味しくない。
ねぇ、やっぱり俺もそっち喰べていい?」
氷漬けにされた上、喰いかけのままの男の事を
少し不憫に思った。()
でもまぁ仕方ないか。
『……この女の人も童磨に喰べられた方が報われる気がする』
報われるとは言っても、こんな目に遭わせて結局殺したのは私だけど。
「……Aは綺麗だよね」
すると突然、童磨がとんでもないことを言い出した。
それを聞いた私は思わず飛び退く。
急に何を言いだすんだ。
『いや、私は綺麗じゃないよ』
「綺麗だよ。容姿も心も、全部」
……女を扱うのが上手いのか、ただ天然なのか。
どっちにしろタチが悪い。
私の心臓がうるさい。
『どこが…人だって殺して喰うし、嫉妬だってするし。醜いよ』
「人を喰べるのは仕方ないよ、俺も喰べるし」
童磨は笑って私の前にしゃがみ込むと、じっと私の目を見つめてきた。
虹色の綺麗な目に私が映ってる。
「それに、嫉妬はしてもAは相手の事を悪く言ったりはしないだろう?むしろ褒めてるくらいだし」
『え……そうなの?』
「そうだよ」
私結構女にキレてると思うんだけど…
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おもち(プロフ) - るみさん» おおお……!!!コメントありがとうございます……ッッ!!!こちらこそ感謝です……っ゚(゚´Д`゚)゚。 (2020年1月4日 15時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)
るみ - 今ここまで読んで見ましたが……私の想像以上に最高の作品でした!!書いてくれた作者さんありがとうございます!! (2020年1月4日 13時) (レス) id: b36153d67a (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - クラゲさん» ヒビが……(´・ω・`) (2019年12月1日 18時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - うささん» そそそそそんなに!!!?滅相もない!!!(;▽;)嬉しいですぅぅぅぅぅありがとうございますぅぅう!!!!゚(゚´Д`゚)゚。 (2019年12月1日 18時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - paopaoman217さん» え!?ありがとうございますっっ!!!!ヽ(;▽;)ノ更新待っててくださいね〜!!(≧▽≦) (2019年12月1日 18時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おもち | 作成日時:2019年11月17日 23時