【鬼滅の刃】彼をどうしても振り向かせたい 弐【童磨】

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『……童磨、』




「…ゲホッ……」





童磨は膝をつき咳き込むと血をたくさん吐いた。

毒か



あの女は何者？





「おっ、鬼にも毒は効くのね！！
持っていて良かったわ、この仕込み刀……！」





その小刀をよく見てみると、それは黒い扇子。


その外装は閉じた状態の扇子を模した様なもの…
仕込み刀だったのか。

しかも、その刃には毒が塗られている。


何故そんなものをこの女が……？






すると、女は童磨の血の着いた刀を持ったままこちらに向かってくる。




『…、』





素人にしてはこの素早い動き……、


私に向かって伸びてきた小刀を持つ手を避けるも、
次は後ろを狙われる。





「…ゲホッ……あらら……
美しい花には棘があるってこの事かな？」



童磨は口周りに血を付けながら笑っている。怖い。





「っ……、私はもう引退しているけれど
ッ最終選別で生き残ったのよ！！

なんで教祖様が鬼なのよォ……！
好きだったのに……！！」





なんだか…、色んな意味で気の毒だ。





『童磨、毒は？』


「分解しちゃった」




にっこり笑ってみせた童磨。

血を吐いてる童磨も好きだったなぁ。(病んでる)





「っ……なんでよりによって上弦なのよ！！
お前もどうして私の攻撃が当たらないの！！」




自棄を起こしたように刀をブンブン振り回す女。
それすらも私に当たらない。



「っ…くそ！！」





でも、さすが鬼殺の剣士だっただけはある。
中々体勢を崩さない。




『あんまり叫んだら信者来ちゃうでしょ』


「知らないわよ！！」






童磨は後ろの方で楽しそうに笑い、口周りの血を舐めとっている。

……あ、やだ舌舐めずり本当素敵すぎる。(変態)





「当たりなさいよ！！
簪があんたのものだなんてそんなの聞いてない！！」


『(えぇ……)』





しかもまだそれ引きずってたのかよ。

あぁでも、確か簪を贈る意味ってあったよね
なんだっけ？





「いいわよ、ガラス製の簪なんてすぐに壊れちゃうわ！！どんなにいい物でも！！」



そう言いながら私に関節技をきめてこようとする。
その足を払い、転ばせると派手に転んだ女。





「もう、全部が全部ガラスで出来てるわけじゃないからね？一部だよ、一部」


扇でパタパタと仰ぐ童磨。
彼ほど扇が似合う男は他にいねぇわ。




「当たれ！！」


私は動きを止め、女の刃を受け入れた。

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