【鬼滅の刃】彼をどうしても振り向かせたい 弐【童磨】

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「まぁまぁ、君はこの後たくさん構ってあげるから
今は静かにしててね？」



「っ…！」





口元に人差し指を当て、女に優しく笑いかける。

その笑みは今の女にとっては恐怖でしかないんだろうな





「ねぇ、じゃあ簪は？」



「……え？簪？何のこと？」






床に座り込む女は童磨を見上げ、
泣きそうな目で訴えかける。


うわ、上目遣い上手いな、可愛い……
よし、今度童磨に使ってみよう。(唐突)






「そんなっ……
知り合いに作らせたと仰っていたじゃないですか！
ガラス製の綺麗な簪……！」






何の話だろう。私の知らない話だ。


童磨は女を見つめたまま固まっている。
……どうしたんだ？？






「あぁ！あの簪か！」



再び笑顔を貼り付けた童磨

すると女と同じ目線にしゃがみ込み、
女の顎を扇で掬う。



うわ、いいなぁ……私もそれ前にされた事あるけど、
こうして見ると至近距離で見つめ合えて本当に羨ましい。

またされたいです。






「あれはね、君にあげるために作らせたんじゃないんだよ……。あぁもしかして、簪が欲しかったのかな？
ごめんね。」



シュン、と悲しそうな表情をした童磨にキュンキュンが止まらない私。


(どんな表情もどストライク……！！)



その表情を目に焼き付けておこうと思ったが、
女に目を向けたとき女の頬がほんのり赤くなっている事に気付き、最早それどころではなくなった。





『はい、童磨を見て照れたからお前処刑』



「A！？」






冗談だよ。

と、笑顔を浮かべてみるも女は私に対して恐怖を感じたのかビクビク震えている。



童磨は困ったように笑うと女に

「待っててね」


と言い残して男に目を向けた。






…つか、まだ男生きてたのか。






「君さぁ、誰のものに手を出しちゃったか分かってる？」



口角を上げて怪しく笑う童磨はじっと男を見つめる。





「……っ私はただ！！この人に惚れ、自分の子を孕ませたくなっただけで……！
こんな人を自分のものに出来る…その瞬間を想像したら、」



と、男は壊死した足を引きずりながら
私の足に縋り着いた。

あれ、さっきまで私に怯えてたくせに。




「この際、鬼でもいい…！
私をここから逃がしてほしい！！
そして、貴方と結ばれ＿」



まるで頭が狂ったかのように笑いながらそう叫ぶ男だったが、そのとき。



「もういいや」



……と、ため息混じりの童磨の声が部屋に響いた。
その声のトーンは低く、声も小さかった。

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