【鬼滅の刃】彼をどうしても振り向かせたい 弐【童磨】

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「いやぁそれにしても、あの表情で俺を求めてるAは可愛かったなぁ」



『エ』





いきなり口を開いた童磨、
そしてそのまま笑顔で続ける。





「ま、君は見た事がないからわからないか！」



「……っ！！」





煽ってる！！
すごく煽ってる！！


お互い額に青筋が浮き出てるし
もうこれやばい状況。



女はこの空気に動揺し、涙も止まっているようで。







「……ところで、君は誰なんだい？」


……と、童磨は笑顔で男にそう問いかけた。





誰って信者でしょ？


一体どうしたのだろう





「……あなたの信者ですが？」



「いつから？」



「……3ヶ月前くらいから、」



「へぇー」







なんだなんだ。



パタパタと扇で扇ぐ童磨。
扇、超似合ってるしんどい。目の保養でしかない。









「お前、俺の信者じゃないだろう？
勝手に上がり込んできて何がしたいんだい？」






場の空気が凍った気がした。





図星をつかれたのか、男は目を見開いたままぽかんとしている。







「……っ」



「どうしたどうした
俺は優しいから今なら楽に、」






と、そこまで言って言葉を止める。


恐らく言おうとしていたのは
“俺は優しいから今なら楽に殺してあげるよ”



だと思う。あ、怖い。鳥肌が立った。






「なぜ、気づいて…」



「俺は一応、ここの教祖だから信者の顔は覚えているようにしているんだ
君は見覚えがなかったし……

部屋は最近居なくなったあの女の部屋でも使っていたのかな？」







ますます顔が歪んだ男。




「っ……A様に、一目惚れをして
後をつけるとこの屋敷の中に入っていったから……
それで……」





俯く男。

そして右手を袖の中に隠し、何やら怪しい行動。






「……なんだ、そうか。
私以外の男の体を受け入れた貴方なんて。
しかもそれにより子が出来ていたなんて。


貴方がもう、手に入らないなら……





私も死に、お前も！！！」







小刀を私に向け走ってきた。



私はあえて動かない。






童磨は動こうとしない私を見て一瞬表情を崩すが、
またすぐに元の表情に戻った。





ザクッ、と肉の裂ける音がして
私の下腹部から血がドクドクと流れ出した。








「は、ははは……これで腹の子も死んだ。
時期に君も死ぬ。
そして、俺も死…」



『……はい、残念でした
私は死なないよ？』




「………は、？」








男の驚いた顔。


なんと滑稽な。

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