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「そうやって……また教祖様と私を比べるんですね」



まるで、苦虫を噛み潰したような表情。
この男は私に何を求めているのだろう。




『…あの人…、教祖様は…いつも頑張りすぎてる。

周りの人の極楽を願うばかりで、自分の極楽なんて微塵も考えていない。』



「そんなの、今関係な……」



『私はそんな優しい童磨が好きなの。』







名前、言っちゃった。
まぁいいんだけど



コイツ、どうせ喰うつもりだったから





「私は……教祖様が憎くて堪らない。

貴方の気持ちを独占しているのも許せないし
何でも持っているあの男がとても憎い」



『……』






ついに本性を現しやがったな。


今までの行動に隠されてきたこいつの本性




童磨の前での挑戦的な態度、威嚇、煽動。

童磨に敵意を抱いているのはひと目見て分かってたよ。






「……だから私は、貴方を奪いたかった

もちろんそれは、あの男から奪いたかったのと
貴方自身がとても魅力的だったから。」



『……』



「好きです。
あの男を殺してでも、手に入れたい程に。」





あぁ、なんて救われない男なんだ






『私は、そんな告白を聞きたくなかった
童磨が好きな、この綺麗な月の下で』



「……Aさ、」






男が私に何かを言いかけたとき、




「今夜も綺麗な月だねぇ」




と、後ろから声が聞こえてきた。
まるで男の言葉に被せるかのように。


その声は私の大好きな人の声だった






「随分と楽しそうな話をしてるじゃないか
俺も交ぜておくれ」



『童、……』






その声だけで感情が高揚し、勢いよく振り向けば
そこには童磨だけでなく、あの女も居た。







『……、』




再び気分は急降下。
何も言えなくなる。





女も湯浴みをしてきたばかりなのか
ほんのり頬が火照っていて、その艶やかな髪からは雫が滴っている。


月明かりに照らされてとても綺麗だった。







『……お似合い、だなぁ』



妬ましい程に。



小さく呟いたはずなのに、その言葉は2人の元まで届いていたみたいで




「あら、嬉しいわ」




と、女が童磨の腕に手を絡めて笑う。



……やめて、触らないで、手を離してよ

私だって彼が大好きなのに





当の本人である童磨は笑顔で私の手を握ったままの男を凝視している。




「私はA様を手に入れたい」





男は私を見てそう言った。
あれ、私断ったよね???

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おもち(プロフ) - るみさん» おおお……!!!コメントありがとうございます……ッッ!!!こちらこそ感謝です……っ゚(゚´Д`゚)゚。 (2020年1月4日 15時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)
るみ - 今ここまで読んで見ましたが……私の想像以上に最高の作品でした!!書いてくれた作者さんありがとうございます!! (2020年1月4日 13時) (レス) id: b36153d67a (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - クラゲさん» ヒビが……(´・ω・`) (2019年12月1日 18時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - うささん» そそそそそんなに!!!?滅相もない!!!(;▽;)嬉しいですぅぅぅぅぅありがとうございますぅぅう!!!!゚(゚´Д`゚)゚。 (2019年12月1日 18時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - paopaoman217さん» え!?ありがとうございますっっ!!!!ヽ(;▽;)ノ更新待っててくださいね〜!!(≧▽≦) (2019年12月1日 18時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おもち | 作成日時:2019年11月17日 23時

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