【鬼滅の刃】彼をどうしても振り向かせたい 壱【童磨】

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『ただいまー！童磨ぁぁぁぁグホァッ』



「……」





街から急いで戻り、
腕を広げて童磨に飛びつこうとした。



でも返ってきたのは硬い拳。痛い。





「信者が来る時間にこういうことするのやめてくれるかな？」



全くの無表情でそんな事を言われる。
そう言われるのは分かっていたけどやっぱり寂しい。





『いつなら大丈夫？？』


「そういう問題じゃないよ
俺の顔を見たら分からないかい？」


『…ごめん』




確かに怒ってる顔だ。

これ以上この人の機嫌を損ねて嫌われてしまうのは嫌なので、謝って背を向ける。



あーあ、暇だなぁ




今までなら構ってくれてたのに
寂しいなぁ





「……A」




不意に呼び止められ振り向くと
童磨がこちらへ向かって歩いてくる。



何故呼び止めるのだろう
怒ってるんじゃ無いのかな






「俺は出て行け、なんて言ってないんだけどなぁ」



『……、』




それでも彼は表情に笑みを浮かべてはおらず。
やはりいつものように冷たい表情。





そのとき、グイッと顔を近づけられた。




『ッ！？』


ち、近い近い近い近い、え、やだかっこいい……
……じゃなくて。




なに！？





「……上手く落として来たみたいだけど、血の匂いがするよ
あと男の匂い」



『おぉ……』





さすが童磨様である。

血塗れのまま童磨に飛びつくのはいけないと思い、
綺麗に血も匂いも落としてきたのに。


やっぱりこの人には分かるのかぁ






「どこに行って来たんだい」



ニヤリと笑みを浮かべた。





やっと笑ってくれた




嬉しくなって舞い上がり、今彼が何を考えているかなんて私は全く気にもしなかった。





『そんな笑顔も好きだ』



「いや俺の質問に答えてくれる？」






彼は本当にかっこいい。






「ねえ、どこに行ってきたの？」



『街に行ってきた』



「街？何しに？」



『散歩』





童磨は笑顔を崩さず、扇で私の顎を持ち上げた。



扇が超似合ってる……かっこいい……






「男と遊ぶために街へ行ってきたの？
へぇ、楽しそうなこった」



『え』



「いつからそんなに男たらしになったんだい？
……まぁ、どうでもいいんだけど」





え、えええ




『え、いや私は……んぐっ』




口を開くと指を突っ込まれた。
…喋ることも許してくれないのか。









「最近お前はつまらない」





童磨の口から告げられたのは
私が1番欲しくない言葉だった。

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