【鬼滅の刃】彼をどうしても振り向かせたい 壱【童磨】

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「……そんな女はいらない、くれてやる？」



「そうだ……！
女なんて他にいくらでもいるしな！！

それだけじゃ足りないならば金もやろう……！！」






懐から金を取りだし、童磨の胸元に押し付けてる。




『……また金か、』




なんて情けない姿なんだ。

可哀想に。





「……くれてやる、ねぇ……。
最初からAはお前の女でも何でもないよ？」




童磨はそう言うと男から手を離した。


男たちは涙か鼻水かよく分からない汁を顔面から垂れ流し、転びながら逃げていく。




あれ、珍しく許すんだ……と童磨の表情をちらりと盗み見てみた。






「……どうしたんだい？俺の顔になにかついてる？」



『……あれ、』



「ん？」



『いつもと同じだ……』



「え、何が！？」






表情は至って普通だった。
特に変わりはない。


いつもなら殺してしまうのに。



あぁ、ここは人が多いからか。
騒ぎを起こさないためにね……




と1人で納得し、少し乱れた着物を治していたとき。






「………さて、うまく逃げ切られるかなあ」



『へ』





再び小脇に抱えられたと思いきや、
高く飛んで屋根の上へ。





『く、首がァァァ』



「えー？そのくらい平気だろう？」



『毎回となると話は変わってくるんだなそれが！
鬱陶しくなってくるの！わかる！？』



「我慢我慢」





くっ…爽やかな笑顔！！
これは許してやるしかない






「………ねぇA、ちょっと触られない努力でもしたらどうだい？」


『……え、』


「人間に触れられるなんて最近抜けているんじゃないの？あの方に怒られるよ」


『人間だから触れられても平気なんだと思う
鬼だったら警戒するけど……』






そう言うと顔を顰めた童磨
やだ、顰めた顔もかっこいい……




「あ！」



童磨が何かを見つけたように反応し、その屋根から飛び降りた。



『首がッッ』


「しつこいなぁ、諦めなよ」


『ハイ』





でも痛いものは痛い


すると童磨がニコニコと楽しそうに笑いながら
目の前の男3人に近づいていく。
こいつら合流したのか




「……いたいた〜。
人通りの少ない所まで来てくれて助かったよ」


「……ッヒ！！」


「さぁ、楽しもうか」







それから始まる男たちの悲鳴。
何故か直ぐには殺さないようだ。




「しーっ！いま夜なんだから静かにしないと」



人差し指を口に当てた童磨。

いや童磨さん、彼らには無理だと思う。
つか常人にそれは無理だと思う。

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