プロローグ2 ページ2
「おーいおっさん!みんな連れてきたぞー!」
「レ〜グ...誰がおっさんですって!ノラーバって呼びなさいよ!失礼ね」
噂のノラーバが、余りの木材を片手にレグにデコピンをお見舞した。同じく木材を抱えたリッターがフフと笑う。
「まあまあ。とりあえず...本当にありがとうね。僕の家も君達のお陰ですごく綺麗になったよ...。お世話かけてすまなかったね。」
「何言ってるのよ!貴方一番働いてくれたじゃない!逆に、修繕作業...貴方のお家を一番最後に回しちゃってごめんなさいね。」
ノラーバはリッターから木材を受け取ると、倉庫へ運んで行った。
「みなさん、そろそろご飯に致しませんか?」
食堂の家から顔を出したのは、レミだった。
続いて出てきたのは双子の兄妹、シトマとニトマ。
「今日の夕飯は豪華ですよ。なんて言ったって、開村記念日ですからね。」
シトマがニトマに目配せする。
「そうだな。クソ兄貴が肉を焦がさなければね。」
ニトマがシトマをギロリと睨み返す。
「へえ...ニトマに言われたくないな。」
放っておいたら兄妹喧嘩が始まりそうだ。
空気を感じ取ったレミは、割り込むようにして口を開く。
「野菜はまだまだ少ないのですが...これだけ多くの食材が手に入ったのはエリサさんのお陰です。」
その声を聞き、人から外れて石の上に座り込むエリサに視線が集まる。
エリサは旅人だった。ここ数日、体を休めるという建前で村づくりを手伝ってくれていた。
「エリサさんが食材を狩って来てくれたんだね。本当に助かりました!旅人さんなのにここまでしくれるなんて...ありがとう。」
リッターはエリサに手を差し伸べる。
「別ニ...よそ者の私を置いて下さってるお礼ですワ。それに、これくらい大したことではありませんシ。」
エリサはそっぽを向いた。
「も〜、エリサさんは素直じゃないなぁ。」
ヒカルがエリサの隣にストンと腰掛ける。
「ちょ、近いですワ!ホントニそんなんじゃないですシ!も、もう!貴方たち、私の獲物...せいぜい美味しく召し上がることね。」
真っ赤になったエリサは立ち上がると、林の方へ入って行く。
「まあみんな。今日まで本当にお疲れ様でした!ニトマ。エリサさんを連れ戻して来てくれる?みんなも中に入って。夕飯にしよう!」
シトマに指示されてニトマは、何で私がと舌打ちすると、エリサを追いかけて林に入って行った。
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作者名:弧六 | 作成日時:2018年1月14日 21時