推し様の夢を見たい (ページ32)

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あれ、雰囲気変わった？

助けてくれた彼を見ようと下げた頭を元に戻すと
帽子を少しあげているおかげで目元が見えていた

……待って、まさか、まさかだけど

『テヒョン…さん…？』

TH「やっと気付いてくれた！」

『あっ声大きいです…！！』

TH「ひひ、ごめんね。嬉しくてつい」

本当に綺麗な目をしているな……
って違う！もう、美しすぎるのが悪いんだから！

『あ、あの、なんでこんな所に…』

TH「Aがお店に入っていくのが見えたから、ついてきちゃった」

『それって大丈夫なんですか…！？』

TH「大丈夫大丈夫～、ちょっと声掛けたくてさ」

『…それで要件は？』

TH「んー…特になし！現実にいるAと話せて満足しちゃった」

『も、もう！なら…』

YN「A～遅いけど大丈夫？」

まずい、ユナだ。
彼女もARMYだから今バレてしまうのは良くない

焦っているとぽん、と私の頭に彼が手を乗せられる

TH「…多分今日は俺でしょ？また夢の中でね」

それだけ言い残して深く帽子を被り直した彼は
店の外へ出ていった

心臓がうるさい！！

これ以上ユナに心配を掛けないように顔を両手で軽く叩いて急いで席に戻り、食事をしながら会話を進めた

YN「…で、本題は？」

『あの…それがですね…』

本題に中々入らない私に気付いていたのだろう

なるべく小さな声で、周りの人に聞こえないように
口を開き一つ一つ説明する

YN「…なんかファンタジーなこと起きてない？」

『いや、そうなの』

YN「心底羨ましい」

『というかよく信じてくれるよね』

YN「こんな変な嘘つくわけないし、そもそもAは私に嘘つけないでしょ。…にしても原因が分からないなんてね」

良い友達を持ててよかった…
1人じゃ抱えきれる気がしなかったから

YN「そういえば今日は誰なの」

『…キムテヒョン』

YN「うわ、絶対眩しい。顔面国宝。本人だってわかった上で耐えられるの？」

『き、気合いで』

YN「まぁ頑張ってよ、なんなら私の分まで楽しんで」

何故かユナに背中を押されたその日は
妙にソワソワしながら眠りについた