推し様の夢を見たい (ページ31)

今日:37 hit、昨日:1 hit、合計:3,658 hit

30 ページ31

……仕事に集中できない

一体何なのあれは！？

夢の中の出来事で頭がいっぱいになる

前なら夢の中でイチャイチャできた～なんて
嬉しくて喜んでいただろうけど

本人様だよ…？え？ペンサ？？
いやでも夢の中でペンサはしなくていいよね
流石に距離近すぎるし

『はぁ……』

＜ユンさん大丈夫？＞

『あ…大丈夫です』

誤魔化すように苦笑いしながら言う
危ない、気を引き締めないと

＜ならいいけど、今日の夜会いてない？＞

その先輩の言葉に鳥肌が立った

ユナとのイチャイチャタイムがあるので予定あります

頭の中ではふざけつつ、愛想笑いを浮かべて
言葉を返した

『すみません、友人との予定が入っていまして…』

嘘はついていないから大丈夫だよね
最近しつこくなってきてるのやだな…

また相手が何かを言ってくる前に
自ら仕事を増やして動き回ることにした

定時までには何とか仕事を終わらせ、会社を後にする

こうしていた方が仕事がもっと進むような……
いや、やりすぎは良くない！疲れたもんね

待ち合わせていた場所には既にユナがおり
私に向かって手を振っていた

『ユナ～！！』

YN「なに、今日も変な人に付きまとわれたの？」

『そうなの…よく分かるね』

YN「本当懲りないねその人』

『あ、ごめん。ちょっとお手洗い』

YN「はいはい、待ってるよ～」

ふう、危ない…

お手洗いを済ませ、急いで席に戻ろうとしたその時
手首を掴まれて恐る恐る振り向く

＜ユンさん＞

『え、…』

＜一人で来たの？＞

『いや、友人と来ていまして…待たせると良くないので、それでは』

最悪だ。離してもらおうと動かしてみると
握っている手にさらに力がこもる

＜…いつもそうやって。嘘つくなよ＞

『いっ、…あの』

「彼女、痛がっていますよ？」

顔を上げればマスクをして目元まで深く帽子を被った
人が先輩の手首を握っている

…あれ、力かなりこもってない？

＜あんたに関係な…っくそ、何するんだよ！＞

「これと同じ痛みを彼女に与えているのはどこの誰ですか」

＜…ッチ…＞

特に謝りもせずに先輩はその場を去っていった

…良かった

『あ！そういえばすみません、助けていただいて』

「…ふ、ううん。気にしないで」