検索窓
今日:3 hit、昨日:2 hit、合計:30,237 hit

意識して!11 ページ14






早く、返事を、声を出さなければと必死に唇を動かそうとしていると、パンッ!と手を鳴らす音が聞こえた。




「えっと、すみません!」




『……ぇ?』




意味がわからなくてそのままあんぐりと口を開けているとるぅと先輩が顔を真っ赤にさせて私に謝ってきた。




「そ、その…好きな子がいて。所謂…その、告白練習を、しようかと…照」




『告、白…れ、ん習?』




目の前が真っ白になった。るぅと先輩はこの場にいた。だから聞いていたはずなんだ。話を必ず聞いていたはずなのに。それを分かった上で嘘の告白を私に落としてきたのだろうか。




『な、んですかそれ』




「違っ、やろうとなんてしてなかったけど…貴方も僕をあの人を避けるために使っていましたし…そ、それに!あの人に誤解されちゃったでしょう?なら_」




もう、聞きたくない。




「僕も少しドッキリで仕返しをしてやろうと思いまして、すみません。少し驚かせすぎましたか?」




いたずらっ子のように笑う君が見えたくもない悪魔に見える。嫌だ、聞きたくない。今すぐここを逃げ出したい筈なのに。足が動かない…これ以上聞きたくない、と耳を塞いでしゃがみ込んだ。




「でもこれでおあいこ!貴方も貴方の好きな人にちゃーんと告白s」




?「るぅと」




声が聞こえて私とるぅと先輩が同じタイミングで振り返ろうとすると制服のようなものが覆いかぶさって上を見れなくなった。
でもわかる。この声は___




莉「何が、ドッキリだ。この意気地無し」




兄の声は今まで聞いたことないくらい冷たく、切なそうな声だった。これ以上聞きたくないと私は兄が来た隙をついて逃げ出した。
帰りの廊下を夕日が照らす中、私は1人、走りながら泣いていた。

意識して!12→←意識して!10



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (75 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
183人がお気に入り
設定タグ:すとぷり , nmmn ,
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

スズ(プロフ) - ころん先生とるぅとくんの話が見たいです!面白かったです! (2019年6月4日 19時) (レス) id: b86545f9d0 (このIDを非表示/違反報告)
涼音(プロフ) - あきいろさん» ありがとうございます!たのしみにしていますね! (2019年6月1日 21時) (レス) id: 8e8fc6a313 (このIDを非表示/違反報告)
あきいろ(プロフ) - 涼音さん» 一応完結しましたので、暁のヨナの方中心に書いて参ります。その間間に時間が空きましたら書かせていただきます(●´▽`●) (2019年6月1日 18時) (レス) id: 4c49ffa433 (このIDを非表示/違反報告)
涼音(プロフ) - ハッピーエンドありがとうございます!付き合った後とかも見てみたいです!よろしければお願いします! (2019年6月1日 17時) (レス) id: 8e8fc6a313 (このIDを非表示/違反報告)
あきいろ(プロフ) - り とさん» 初コメいらっしゃい!リクエストありがとうございます!HAPPYEND後日出しますね (2019年5月31日 23時) (レス) id: 4c49ffa433 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:あきいろ | 作成日時:2019年5月2日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。