まずは映画を見に行きませんか？【名前変換オリジナル】

夏祭り8 ページ50

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光原先輩の前に立ち、両手を広げて大きく声を出す。しん、と先ほどまでうるさかった声やシャッター音が消えた。


紘基「春野さん…？」

『この夏祭りは！来て下さったお客様、屋台のスタッフ、ステージ出場者みなさまが楽しんで下さるように、我々運営が企画したものです！光原先輩だって皆さんが楽しんでくれるように沢山準備や努力をされてたんです！』


慣れない機材を任されて…オリエンテーション中のほんの少しの休憩時間にだって資料を食い入るように見てたのを、私は知ってる。


『光原先輩は裏方として夏祭りを支えて下さっています。この時間さえ、光原先輩には別の仕事があるはずです。だから…どうか皆さま！この後のステージも、屋台も魅力あふれるものになっています！そちらで楽しんで頂けないでしょうか！？お願いします！！』


深く頭を下げる。本来、光原先輩がここに来たのは私のせいだ。責任を取るべきは、私。輪を作っていた人たちがザワザワとし始める。顔を上げると、どんどん人が少なくなっているのがわかった。ホッと安心したその時、急にカメラとマイクを向けられた。


「先輩とおっしゃっていましたが、光原紘基くんとはどのような関係ですか？」

『え、あ…直属の後輩です』

紘基「ちょ！やめてください！答えなくていい！！」


突然の出来事についつい答えてしまうが、光原先輩に止められる。


紘基「これ以上は警備員を呼びますよ！」

「じゃあこの質問を最後に！光原紘基くんは、お母様について何か話したりしてるんでしょうか！？？」

『お母様…？』


光原先輩の…？なんでそんなことを…。


「県議会議員の光原とも子さんのことをですよ！！」

『県議会議員…！？』

紘基「え…」


光原先輩のお母様は県議会議員、なの？


夏希「あなたたちはどこの記者クラブですか？まだ続けるようなら今後のイベント等の出禁も視野に入れますが」

「し、失礼します！」


木村先輩の言葉で、未だそこに残っていた全員が散り散りになっていく。


紘基「あの…春野さん…」

『え、あ、はい』

紘基「俺のこと、その…知らなかったの？」

『え…？』

夏希「光原。春野さんはテレビ持ってないんだって。おまけに県外組。知らないよ、あんたのこと」

紘基「…じゃあ、あれは…え？」


光原先輩は戸惑いを隠せない様子で、私と木村先輩を交互に見ている。…が、私も何が何だかで…。2人を交互に見ていた。


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