入学式4 ページ5
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なるほどやっぱり、県が違うと人の雰囲気も変わるのだろうか。紀元くんはミステリアスで不思議な感じ。だけど、それがすごく心地良いな。いつか顔の全貌を拝みたいものである。
それからしばらく話して、紀元くんはここが地元ってことだったり実家は理容室を営んでいるだったりを知った。ちなみになんで前髪を伸ばしているのかについては
律「秘密」
『えー!どうして?』
律「もう少し仲良くなったら話すよ笑 それまで僕の前髪にしっかり興味持っといて」
らしい。一人称が僕、っていうのもミステリアスな雰囲気をより際立させているような気がする。
すると、
「新入生の皆さん、おはようございます。本日の司会を・・」
先輩らしき女性が壇上で話し始め、入学式が始まった。学長の話やコーラス部による歓迎演奏などがあって、ときどき紀元くんと話しながら入学式を過ごしていた。プログラムは順調に進み、部活・サークル紹介へ
『来た!』
律「気になってるのあるの?」
『うん、学生執行部!』
「それでは最初は、学生執行部からの紹介です」
律「お、早速」
司会の人の言葉をきっかけに、舞台袖から何人もの人が現れる。新入生たちの反応が自然と大きなって来た。
もしかしたら部活の先輩になるかもしれない方々を左から右へと目を移していく。
皆キラキラしてて本当、……え
パサッ
律「春野さん、パンフ。また落として…春野さん?」
私は…1番右に立っている男性から目が離せなくなった。見た瞬間、体に電気が走ったような。あぁ、まるで、
『(一目惚れ)』
恐らく…いや、絶対にコレだ。これが一目惚れ。その人を捉えるまではスムーズに動かせていた目が、釘付けになって動かない。ずっとその人を見ていたい。…私、この人が好きだ。
体が熱くなって鼓動が早まっていく感覚がした。
律「春野さん!」
『え…』
紀元くんに肩を叩かれて、彼を見る。…なんか夢から覚めたような気分。
やっとの思いで口を開く。
『ど、どうしたの?』
律「いや、これまた落としてたから…。どうしたの?知り合いでもいた?」
いや…と答え、また壇上に目を向ける。さっきよりずっと緊張している。受け取ったパンフレットが手汗でよれてしまわないかを頭のどこかで心配している自分が居た。
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みびみやこ(プロフ) - チックタックさん» コメントありがとうございます!書きたいことが多すぎて中々発展しなくて申し訳ないのですが、そう言ってくださると嬉しいです!こだわっていきたいと思います!今後も当作品をよろしくお願いします。 (2021年9月23日 18時) (レス) @page42 id: 9a02bb3167 (このIDを非表示/違反報告)
チックタック - 話の内容がすごく作りこまれている! (2021年9月23日 14時) (レス) @page43 id: b901e895c9 (このIDを非表示/違反報告)
みびみやこ(プロフ) - みらいさん» 面白い!?!?ありがとうございます!少しずつではありますが進めていきます!今後も当作品をよろしくお願いします。 (2021年9月17日 20時) (レス) id: 9a02bb3167 (このIDを非表示/違反報告)
みらい - すごくおもしろいです!無理のない範囲で更新頑張ってください (2021年9月17日 20時) (レス) id: 942628a425 (このIDを非表示/違反報告)
みびみやこ(プロフ) - にら。さん» 返信遅くなり申し訳ございません。好きというコメントありがとうございます!これから定期的に更新していければと思いますので、読んで下さると嬉しいです!今後も当作品をよろしくお願いします。 (2021年9月14日 18時) (レス) id: 9a02bb3167 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みびみやこ | 作成日時:2020年9月18日 23時